研究課題/領域番号 |
23K26393
|
補助金の研究課題番号 |
23H01700 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
遠藤 洋史 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90455270)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
|
キーワード | ソフトロボット / 液体金属 / 空圧駆動 / 折り紙 / マランゴニ推進 / Auxetic構造 / 切り紙構造 / 折り紙変形 / オーゼティック構造 / 3Dプリンティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では3Dプリンティング技術を用いて、空圧駆動アクチュエータと幾何学メタマテリアル流路を一体化した、多彩なフレキシブル造形体を構築する。形態や剛性を自在に変え環境適応する生物に習い、空圧駆動に同期した『流路形態変換』と併せて、硬質性と柔軟性を両立するゲル化プログラム媒体から『剛性変換』を誘起する。両変換の同調機構・動力学相関性を明らかにし、空圧・光オンデマンド動的制御から機能を実装した『環境適応型ソフトロボティクス群』を実現する。
|
研究実績の概要 |
本研究では3Dプリンティング技術を用いて、空圧駆動アクチュエータと幾何学メタマテリアル流路を一体化した、多彩なフレキシブル造形体を構築する。歩行・遊泳・物体把持などの多彩な動的性能を実装した一大ソフトロボティクス群を開発することを目的としている。 初年度においては、本案の基盤となる熱溶解積層方式および光造形方式による3Dプリンティング技術を用いて、Auxetic流路形成に向け貼り合わせ法、モールド溶解法、直接造形法を検討した。また、液体金属(LM)微粒子を含有したエラストマーフィルム(PDMS)への近赤外光照射により生じる光熱変換特性を利用した運動について、動力学解析から検証した。加えて、ベローズチューブを組み合わせた種々の空圧駆動体の設計について検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モールド溶解法によるAuxetic流路シートの作製では、PDMSとABSモールドの溶解性の違いに着目し、母体構造内からの選択的な流路モールド溶解による中空構造形成法を確立した。流路サイズ・寸法はモールドのそれと精度良く一致し、迅速な液体金属注入も行うことができた。また代表的なAuxetic構造であるリエントラントハニカム構造と、比較として矩形構造、ハニカム構造の3パターンの引張試験を実施し力学特性を評価した。リエントラントハニカム構造は、他よりも構造特異的な伸長挙動を示すことを理論モデルと併せて明らかにした。 LM微粒子含有PDMSフィルムとポリイミドフィルムから構成した2層系フィルムを作製し、両者の熱膨張係数の違いに基づく屈曲動作を大気中にて観察した。微粒子化が促進されるにつれ、たわみ量も増大する傾向にあった。フィルム内の粒子比表面積が増大し、それに伴い発熱性や熱拡散も増大したことが要因と考えられる。 またベローズチューブを組み合わせた種々のシリンダー構造や、切り紙機構を取り入れたソフトグリッパーを構築し、試作した空圧圧制御システムにより高速運動を実現した。 以上より、当初の計画通りにおおむね研究が推進できているものと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
ソフトロボティクスの運動性拡張のため、これまでの知見をベースに新規構造を模索し、設計していく。また精密なひずみ解析を実施して、力学特性を評価する。 例えば、歩行を確認したAuxetic外骨格様シリンダーについて、厚み・角度など各寸法を再度検討し、最適化を行う。そしてAuxetic構造の変形特性を定量的にまとめる。ソフトグリッパーにおいては、種々の切り紙の形状の動作を確認し、物体把動作に適する形状を検討する。また新規カイラル八面体骨格を基本とした幾何学構造体および、その集合体の詳細な動作検証を行い、有用性を見出していく。
|