研究課題/領域番号 |
23K26411
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補助金の研究課題番号 |
23H01718 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
田口 哲志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, グループリーダー (70354264)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 接着剤 / 超分子接着剤 / シクロデキストリン |
研究開始時の研究の概要 |
湿潤状態にある脳硬膜表面に接着して髄液や血液等の漏出を防止すると共に、水環境でも膨潤しない特性を持った脳外科用接着剤を創出する。ゼラチンにアルキル基を導入した疎水化ゼラチンが湿潤組織接着性を有する点、およびシクロデキストリン(CD)が可逆的に疎水性物質を包接する点に着目し、CD包接疎水化ゼラチン接着剤が硬化後、水環境でCDを放出することにより誘起される疎水性相互作用により、脳硬膜接着性と非膨潤性を実現する。接着剤成分の材料パラメータ制御およびラット背部皮下への埋入により、脳硬膜接着性、水環境での膨潤性および生体親和性・分解性を評価する。
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研究実績の概要 |
ゼラチンには低イミノ酸含量のスケソウダラ(以下、タラ)ゼラチンを用い、このタラゼラチンを水/エタノール混合溶液に溶解し、2-ピコリンボラン(還元剤)の存在下でデカナールを用いて疎水化した。デカナールの仕込み量を変化させることにより、デシル基導入率の異なるタラゼラチン(C10-ApGltn)を得た。導入率はトリニトロベンゼンスルホン酸法を用いて残存アミノ基から定量し、核磁気共鳴装置(1H-NMR,13C-NMR)、フーリエ変換赤外吸収スペクトル(FT-IR)によりデシル基の導入を確認した。得られたC10-ApGltnの水溶液にα-シクロデキストリン(αCD)を添加し、粘度を評価した。C10-ApGltn溶液の粘度は、αCD /デシル基のモル比を増加させることにより減少した。これは、Ap-Gltnに導入したデシル基がαCDによって包接され、デシル基間の疎水性相互作用が阻害されたことに起因すると考えられた。一方、生理食塩水中に浸漬後のαCD/C10-ApGltn接着剤硬化物は、未修飾タラゼラチン(Org-ApGltn)および既存のポリエチレングリコール(PEG)系脳硬膜用接着剤と比較して有意に低い膨潤変化率を示した。また、αCD/C10-ApGltn接着剤のブタ脳硬膜に対する耐圧強度は、Org-ApGltnおよびフィブリン系接着剤と比較して有意に高く、既存のPEG系接着剤と同等であった。HPLCを用いたαCDの定量により、接着剤中のαCDは生理食塩水に浸漬することで接着剤から放出されることが確認された。以上の結果から、αCD/C10-ApGltn接着剤の低い膨潤特性と高い接着強度は、生理食塩水中においてαCDが放出され、デシル基間の疎水性相互作用による自己組織化(物理架橋形成)が促進されたことに起因すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度に計画していた内容を完了することに加え、一部の内容については次年度の研究計画も開始しているため。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進んでいるため、引き続き研究計画に従い研究を遂行する。
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