研究課題/領域番号 |
23K26418
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補助金の研究課題番号 |
23H01725 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
會田 英雄 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (10811648)
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研究分担者 |
澤邊 厚仁 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70187300)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | ダイヤモンド / ヘテロエピタキシャル成長 / CVD法 / 欠陥密度 |
研究開始時の研究の概要 |
温室効果ガス削減に極めて大きな貢献が期待されるダイヤモンドを用いた究極の省エネルギーパワー半導体デバイスの実現には、高品質かつ大型のダイヤモンド基板の実現が必要である。ダイヤモンド成長用下地MgO基板の完璧表面創成と極薄化加工を行いつつ、成長中リアルタイム応力制御を取り入れ、結晶欠陥発生とその伝搬を抑制/制御してダイヤモンドの高品質化を目指す。最終段階では、これまでに開発済みの大口径結晶成長技術と組み合わせ、実用性(サイズと品質)を兼ね備えるダイヤモンド基板製造技術の完成を目指す。
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研究実績の概要 |
温室効果ガス削減に極めて大きな貢献が期待されるダイヤモンドによる究極の省エネルギーパワー半導体デバイスの実現には、高品質かつ大型のダイヤモンド基板実現が必須である。ヘテロエピタキシャル成長法による基板大型化には目途が付いているが、結晶欠陥密度の低い高品質ダイヤモンド成長技術開発が必要である。ダイヤモンドヘテロエピタキシャル界面からの結晶欠陥の発生そのものを抑制するための完ぺきな下地基板製作と、発生した欠陥を消滅/低減するための欠陥伝搬制御の特殊成長テクニックの開発、ならびにそれらの技術融合を実施する。下地基板となるMgO表面の無じょう乱研磨加工とその後の洗浄およびアニール手法はすでに確立できており、原子レベルステップテラス表面創製にも成功ているが、ここにMgO基板の極薄化加工技術をさらに開発し、成長中の基板の反りの低減効果を検討する。ダイヤモンド基板の成長時反りは成長時応力を反映しており、低欠陥密度を実現するために必須となる成長時応力発生要因の特定につながる。そこで、極薄化した下地MgO基板上へのダイヤモンド成長中リアルタイム応力制御を取り入れ、結晶欠陥発生とその伝搬を抑制/制御してダイヤモンドの高品質化を目指す。最終段階では、これまでに開発済みの大口径結晶成長技術と組み合わせ、実用性(サイズと品質)を兼ね備えるダイヤモンド基板製造技術の完成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基本構想となるMgO基板の極薄化技術には着手できていないが、その準備としてキーとなる基板加工およびその後の洗浄技術について、専用装置を開発した。現在その効果を検証している。課題の研究期間前半には、加工~洗浄を含めた基板加工技術までの検証が行える予定である。また極薄化基板の効果を検証するための成膜時その場観察技術についても、解決するべき課題の解決(長時間の安定計測)が前倒しで進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
キー技術の1つであるMgO基板の洗浄装置の開発が完了したことから、今年度はその効果の検証をスタートする。基板の超精密加工によって使用した砥粒残渣のを表面無じょう乱性を壊すことなく洗浄除去し、基板表面清浄性を向上する洗浄工程技術を確立する。また、ダイヤモンドヘテロエピタキシャル成長の基礎的な応力蓄積機構を解明する。成長時の反りその場観察技術を活用するが、昨年度までの取り組みで、安定的にその場観察できる時間を大幅に伸ばすことができた。またその過程で、成長初期のダイヤモンド核形成状況を制御することで、その後の応力蓄積形態を制御できる可能性を見出した。初期応力制御が可能な技術を確立できれば、最終的に極薄MgO基板上への成長様式制御にも大きな効果が期待できることから、初期成長応力制御のメカニズムについても、明らかにするための取り組みを実施する。具体的には、各種成長温度、成長圧力、温度上昇パターンなどにおいて膜内に導入される応力状況をその場反り観察を用いて調べるとともに、得られたダイヤモンドの内部応力も観察することで、総合的にヘテロエピタキシャルダイヤモンドの応力内包状況を明らかにする。その結果をその場成長制御へとフィードバックし、ダイヤモンドの高品質化に向けた成長レシピ制御の準備も行う。
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