研究課題/領域番号 |
23K26438
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補助金の研究課題番号 |
23H01745 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
荻 崇 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (30508809)
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研究分担者 |
平野 知之 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (40963674)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 高次構造ポーラス微粒子 / 微粒子材料 / 噴霧法 / 物質移動特性 / プロセスサイエンス |
研究開始時の研究の概要 |
三次元的に規則配列した細孔空間を有する微粒子(以下、高次構造ポーラス微粒子)は、高比表面積、高空隙率、低密度、優れた物質移動特性といった従来の微粒子にない性質を有し、次世代型の微粒子として期待される。本研究では、高次構造ポーラス微粒子を対象として、【1】計測インフォマティクスとの融合による創製プロセスの高度化、【2】三次元解析技術を駆使した微粒子内部構造の定量的理解とモデル構築、【3】高次構造ポーラス微粒子の構造と物質移動特性の相関解明に取り組み、世界に先駆けて『高次構造ポーラス微粒子創製におけるプロセスサイエンスの構築』を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、次世代の微粒子材料として期待される高次構造ポーラス微粒子を対象として、(1)計測インフォマティクスとの融合による創製プロセスの高度化、(2)三次元解析技術を駆使した微粒子内部構造の定量的理解とモデル構築、(3)高次構造ポーラス微粒子の構造と物質移動特性の相関解明、に取り組んでいる。 2023年度、(1)については、噴霧法による微粒子製造プロセスの下流に、エアロゾル計測装置(DMA, SMPS)を接続し、リアルタイムで気相中の粒子個数濃度と粒子径を測定するシステムを立ち上げた。これにより、粒子を製造しながら得られた粒子の粒子径や粒度分布を把握することが可能となった。(2)については、三元触媒ナノ粒子で構成されたポーラス微粒子を対象として、製造粒子のFIB-SEMによる微粒子内部構造の観察を行い、微粒子の任意の深さ方向における空隙率の算出を行った。さらに、実物粒子に対する多孔体解析には解像度の限界があるため、仮想空間上にモデルポーラス微粒子を作製することも検討を進めた。こちらも、モデルポーラス微粒子作製ソフトを改良することで、造孔材(ポリマー粒子)の粒子界面での存在位置を指示する制約条件を導入した。これにより、実物のポーラス微粒子が持つ空隙率に近いモデルポーラス微粒子を作製することが出来るようなった。モデルポーラス微粒子に対して多孔体解析を実施することで、ポーラス微粒子の連通細孔径、屈曲率、連通細孔の割合が明らかとなった。(3)については、三元触媒ナノ粒子またはゼオライトナノ粒子を用いて合成した三元触媒ポーラス微粒子やゼオライトポーラス微粒子を合成し、それぞれ、COの酸化反応とトルエン吸脱着挙動を評価した。三原触媒の方は、造孔材(ポリマー粒子)の濃度を増加することで、触媒性能が向上(90%転化に必要な温度を100℃低下)することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述した研究実績概要に記載してあるとおり、2023年は研究の1年目であったが、掲げた3つの目標のそれぞれに対して、順調に研究がスタートできたと考えている。(1)の目標は、高次構造ポーラス微粒子製造プロセスの高度化であるが、ここで言う高度化は、リアルタイムで製造された微粒子の粒子径計測である。現在は、凝集体粒子の粒子径の測定は出来るようになったため全体の25%は達成したと言える。(2)の目標は、高次構造ポーラス微粒子の内部構造の定量的な理解であるが、180枚のTEM写真を用いて三次元再構成された3Dポーラス微粒子の動画作製やFIB-SEMによる単一粒子の内部観察と3D動画の作製を行った。さらにモデルポーラス微粒子を対象とした多孔体解析も実施しており、こちらも順調に進んでいる。(3)については、ポーラス微粒子の合成条件(原料組成、造孔材濃度、造孔材粒子径)に対する微粒子性状(粒子径、細孔構造、結晶構造)、各種機能(CO酸化反応率やトルエン吸脱着挙動)のデータを蓄積し、その相関関係をまとめた。よって、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)についは、今後、噴霧法で製造される高次構造ポーラス微粒子を対象として、粒子径や粒子個数濃度の評価を行う予定である。さらに、噴霧法で製造した三元触媒ポーラス微粒子積層体を直接、触媒特性評価できる装置を立ち上げる予定である。(2)については、モデルポーラス粒子をより実物粒子に近づけるために、ソフトウェアの改良を行う。具体的には、造孔材由来の穴を微粒子の界面に先に配置し、その後で微粒子の内部に造孔材由来の穴を配置させる2段階手法が可能なソフトにする。これによって、得られたモデル粒子を対象として、多孔体解析を行い、単一のポーラス微粒子の粒子内部構造をより正確に理解する。また、2024年度からはシリカ源を原料とした高次構造を持つポーラス微粒子を合成する。これにより、これまで実物粒子に存在しているナノ粒子間の空隙を考慮しない場合も同様にモデル微粒子と多孔体解析を検討する。(3)については、引き続き、粒子合成の操作条件、得られた高次構造微粒子の粒子性状、特性評価を実施し、その相関関係を明らかにしていくが、従来の整理の仕方である粒子合成の操作条件と特性だけではなく、(2)の結果で得られた高次構造ポーラス微粒子の内部構造と特性との関係を明らかにしていく。特に、連通細孔の経路数や連通率(独立した細孔数)と触媒特性およびトルエン吸着速度の関係を明らかにする。
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