研究課題
基盤研究(B)
湿式塗布は、現代生活に欠かせない高機能薄膜製品を製造するための基盤技術である。例えばリチウムイオン電池、燃料電池、インクジェット光沢紙などはいずれも、固体基板上に塗布されたナノ粒子分散液から分散媒を乾燥除去し、薄い粒子積層体を得る工程を経る。ナノ粒子分散塗布膜から分散媒が蒸発するとき、塗布膜は液体状態から、液架橋を介して粒子が互いに接しあうセミドライ状態を経て、粒子積層乾燥体となる。本研究では「セミドライ状態にある塗布膜の弾性率は乾燥体のそれに等しい」とする従来仮説の妥当性を検証すべく、弾性率をリアルタイム計測可能な実験手法を開発し、その動的挙動を記述する学理の構築を行う。