研究課題/領域番号 |
23K26451
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補助金の研究課題番号 |
23H01758 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中川 善直 東北大学, 工学研究科, 准教授 (10436545)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 水素化 / 金属触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究における学術的な問いである「真のヒドリド還元を金属触媒+水素で実現できるか?」に答えるべく、活性点粒子の表面修飾や活性点粒子の構造の制御等により、従来型の原子状水素種を形成する貴金属アンサンブル活性点の形成を抑え、ヒドリド型水素種を発生する活性点のみを残した触媒を開発する。この触媒によりC=OまたはC-Xの水素化および水素化分解をC=C構造が残る基質に対して実現する。
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研究実績の概要 |
不飽和アルデヒドとしてシンナミルアルデヒド、不飽和ケトンとしてベンザルアセトンを用い、末端位置選択的水素化分解触媒として開発されてきたイリジウム-鉄触媒を中心として触媒探索を実施した。比較的容易な基質であるシンナミルアルデヒドの選択水素化では水素化分解触媒で有効だったチタニア担体で良好な性能(97%選択率)が得られた。水素化分解触媒性能と選択水素化触媒性能の構造への依存性の違いを詳細に検討し、選択水素化の方がイリジウム担持量、鉄担持量ともに少ない方が有効な触媒であることが示された。これは、水素化分解ではイリジウム表面への鉄修飾を多く必要とすることと解釈できる。他の不飽和アルデヒドにも適用し、クロトンアルデヒドでも95%選択率、90%収率でクロチルアルコールを得た。速度論からも水素圧力に0.7次と、ヒドリド機構での値である1次に近い値が得られた。 より困難なベンザルアセトンの選択水素化では、既存のチタニア担体や窒化ホウ素担体の使用のみでは良好な選択性を得ることができなかったが、他の担体および特定の鉄前駆体を用いたときのみ高い選択性(約80%)を得ることができた。前駆体に由来する成分や、構造の効果が大きいことがうかがわれ、水素化を完全に抑制する表面構造の決定を2024年度以降進める必要がある。 加えて、本研究で用いているイリジウム-鉄触媒について、水素化分解の研究において活性を飛躍的に向上させる手法として窒化ホウ素担体とモリブデンの少量添加を組み合わせることが発見され、論文を発表した。そのままでは水素化における高選択性は得られないが、選択性を得た先の活性向上として重要な知見となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不飽和アルデヒドの水素化は期待通りに進行した。不飽和ケトンについて、高選択率の触媒を見いだしたが、得られる触媒の幅が不飽和アルデヒドに比べて小さくなったことから、追加の構造の検討が必要となる。しかしその知見はこの先の不飽和カルボン酸等のつながると期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に沿って進行ができている。参画する大学院生もそのまま2024年度在籍し、追加で大学院生の参画も検討する。
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