研究課題/領域番号 |
23K26513
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補助金の研究課題番号 |
23H01820 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小穴 英廣 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20314172)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | マイクロ流体デバイス / 細胞機能改変 / 細胞質移植 / 細胞医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、外来遺伝子の混合を伴わない細胞質移植を高収率で並列に行える我々独自のマイクロ流体デバイスを用い、高収率な細胞機能改変手法の構築に取り組む。具体的には、がん細胞質の樹状細胞への移植過程および移植後の樹状細胞の動態を1細胞レベルで観察するマイクロ流体デバイスを用い、樹状細胞が抗原提示能を獲得するのに最適な細胞質移植の条件を明らかにし、品質が保証された樹状細胞ワクチンを高収率に作製する手法を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究においては、外来遺伝子の混合を伴わない細胞質移植を高収率で並列に行える我々独自のマイクロ流体デバイスを用い、高収率な細胞機能改変手法の構築に取り組む。具体的には、がん細胞質の樹状細胞への移植過程および移植後の樹状細胞の動態を1細胞レベルで観察するマイクロ流体デバイスを用い、樹状細胞が抗原提示能を獲得するのに最適な細胞質移植の条件を明らかにし、品質が保証された樹状細胞ワクチンを高収率に作製する手法を構築する。そしてこれに次いで、細胞質移植処理を大量・並列に行うマイクロデバイスを開発し、機能改変細胞を高収率に大量取得できることを実証する。本研究課題達成により、近年注目されているゲノム編集とは原理が異なる細胞機能改変技術・手段として生命科学研究・医療/産業応用を問わず、広く用いられる技術へと発展させることを目指している。 本研究課題においては、細胞質移植される受容細胞として樹状細胞(Leukemic plasmacytoid dendritic cell line: PMDC05)を用い、細胞質ドナーとしてJurkat細胞(がん細胞:ヒト急性T細胞性白血病細胞由来)を用いた。これまでの研究においては、我々が開発したマイクロ流体デバイス中において、樹状細胞とJurkat細胞の融合と再分離操作によってがん細胞由来(Jurkat細胞由来)細胞質を樹状細胞へ移植することに取り組んでいたが、これに加え、がん細胞の細胞質を内包したがん細胞室由来ベシクルの獲得及びサイズ毎のソーティングを行う技術の構築にも取り組んだ。ここではDLDの原理を利用して、ベシクルをサイズ毎にソーティングできることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、これまでに開発してきた「細胞融合-再分離-タイムラプス観察デバイス」の改良を更に進めた。具体的には、マイクロ流路内における細胞懸濁液の流れの制御性を向上させ、マイクロオリフィス/スリットにおける異種細胞同士の1:1ペアを効率良く形成させることに取り組んだ。ここでは、マイクロオリフィス形成のためのオリフィス部のモールド形成条件最適パラメータの探索および、マイクロ流路への細胞導入時にマイクロオリフィス/スリット部近傍を流れていく細胞の割合を増やす事を目的とし、流路内に新たな微細構造を設けることをおこなった。その結果、細胞核サイズと同程度以下である直径数マイクロメートルのマイクロオリフィスを得るためのモールド形成条件を同定し、それをPDMSへ転写して直径数マイクロメートル程度以下のマイクロオリフィスアレイを得られるようになった。また、マイクロオリフィス/スリット部近傍を流れていく細胞の割合を増やすことについても、実際に、マイクロオリフィス/スリットにおける異種細胞同士の1:1ペアを形成させる効率が改善したことが確認された。また、がん細胞の細胞質を内包したがん細胞室由来ベシクルの獲得及びサイズ毎のソーティングを行う技術の構築にも取り組み、DLDの原理を利用して、ベシクルをサイズ毎にソーティングできることを実証した。 外部発表に関しては、上述の、がん細胞の細胞質を内包したがん細胞室由来ベシクルの獲得及びサイズ毎のソーティング技術に関する研究成果を化学とマイクロ・ナノシステム学会 第48回研究会において発表した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに開発したマイクロ流体デバイスを用い、以下の研究項目に取り組みつつ研究を推進していくことを計画している。 1)樹状細胞へ導入する細胞質の移植量と移植後の樹状細胞の生育との相関解明:樹状細胞を受容細胞として用い、細胞質移植後の個々の受容細胞の動態を、タイムラプス観察により追跡する。これにより、受容細胞を適切に生育させるための細胞質移植量の上限を明らかにすることに取り組む。 2) 樹状細胞の抗原提示能の、免疫蛍光染色を用いた評価:マイクロ流体デバイス中で生育させている細胞質移植後の樹状細胞に対し、蛍光標識された抗MHC抗体を用いてライブセル免疫蛍光染色を行うためのマイクロ流体デバイスを開発する。これに引き続き、実際にライブセル免疫蛍光染色を行い、樹状細胞表面に提示されたMHCタンパク質の定量化に取り組む。 以上を通じて、ゲノム改変を伴わない(エピジェネティクス[後天的ゲノム修飾]の調整のみによる)高収率な細胞質移植技術に基づいた細胞機能改変の高収率化を実現することを目指す。
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