研究課題
基盤研究(B)
エレクトロニクスの超低消費電力化を可能にする革新的素子原理として、無磁場でエネルギー損失なく電流が流れる量子異常ホール効果が注目を集めている。最近の研究から、カゴメ格子強磁性体Co3Sn2S2の単層極限において、従来観測温度(< 2 K)を桁で上回る高温での効果発現の可能性が提案されたが、カゴメ格子単層試料の作製の難しさのため、実験的検証は進んでいない。本研究では、Co3Sn2S2を薄くして単層化を目指す従来の方法から脱却し、共通するカゴメ格子を持つ金属間化合物を母物質として、その極薄膜の硫化によりカゴメ格子の単層化を達成する。これにより、世界初の高温量子異常ホール効果の実証に挑む。