研究課題
基盤研究(B)
負ミュオンの寿命は捕獲される核の原子番号とともに減少する。核磁場測定には最低でも6μs程度までのデータが必要なので、原子番号20以上つまりSc以降の元素に捕獲されたμ-の寿命は短過ぎて使えない。また核磁気モーメントを有する核に捕獲されたμ-のスピンは、核スピンと超微細結合状態を形成して急速に減衰するので、周囲の核磁場を視るのに不適である。すなわち利用できるミュオン原子はμ-C、μ-O、μ-Mg、μ-Si、μ-S、μ-Caなので、測定対象を酸化物・リン酸塩・硫酸塩・有機物等に限定し、これらの内部での動的挙動がイオン拡散に起因するかどうかを検証する。