研究課題/領域番号 |
23K26549
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補助金の研究課題番号 |
23H01856 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
山川 紘一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (60633279)
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研究分担者 |
福谷 克之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10228900)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
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キーワード | 核スピン転換 / 水素 / 分子分光 / 水素分子 |
研究開始時の研究の概要 |
水素分子には,陽子の合成スピンの値によって区別される2種類の核スピン異性体が存在し,それぞれオルソ,パラと呼ばれる.オルソ,パラ間の転換は,孤立分子系では禁制だが,低温固体の内部や表面に捕捉されると数秒から数時間のスケールで進行することが知られており,特に非磁性絶縁体と相互作用する水素の転換のメカニズムは,未だ明らかになっていない. 本研究では,テラヘルツ・赤外吸収分光法,ラマン分光法, 多光子共鳴イオン化法を組み合わせて用い,転換への束縛構造の影響,同位体効果,転換速度の温度依存性を調べることで,水素のオルソ・パラ転換メカニズムを明らかにする.
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研究実績の概要 |
水素分子には、陽子の合成スピンの値によって区別される、2種類の核スピン異性体が存在する。水素が孤立して存在している状態では、これら異性体間の転換、すなわち核スピン転換は極めて稀にしか起こらないが、水素が凝縮系に束縛されると、数秒から数時間程の時間スケールで転換が進行する。例えば液体水素の貯蔵槽内で転換が起きると、その反応熱で水素が蒸発してロスが生じる問題がある。特に、水素分子が非磁性の絶縁体と相互作用している際の転換メカニズムは、未だに明らかになっていない部分が大きい。 そこで、2023年度はまず始めに、超高真空及び極低温下でその場測定可能なテラヘルツ-赤外吸収分光・ラマン分光装置を確立した。この装置を用いて、希ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、氷薄膜内部に捕捉した水素分子を観測した。さらに、スペクトルの経時変化に注目することで、水素分子の核スピン転換速度を決定した。すでに複数提案されている「非磁性絶縁体と相互作用する水素分子の核スピン転換モデル」と実験結果を比較・検討することで、3次摂動モデルが最も妥当な転換メカニズムであると結論した。 これと同時に、水素固体中での核スピン転換を観測すべく、国立陽明交通大学(台湾)の研究者との協力体制を、研究会を通じて新たに築いた。代表者自身が台湾へ渡航し、実験装置のセットアップを完了した。そのため、次年度は水素固体中での核スピン転換機構の解明に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験装置の確立、分子性薄膜内部に捕捉した水素分子の核スピン転換観測と、順調に研究は進展している。また、研究開始当初は予期していなかった、台湾の研究者との連携が進み、水素固体内部における核スピン転換測定について、国際共同研究がスタートした。一方で、薄膜表面における水素分子の核スピン転換観測については、当初計画より若干遅れが生じているため、次年度はこの測定に重点的に取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、7月まで研究代表者が台湾の国立陽明交通大学に滞在し、今年度にセットアップを完了した分光装置を用いて、「水素固体中での核スピン転換の観測」に取り組む。それと同時に、分担者は「薄膜表面における水素分子の転換」の測定に着手する。代表者は、帰国後に分担者の実験に合流し、薄膜表面における転換機構の解明を目指す。そして、最終年度は単結晶表面に吸着した水素分子のスピン転換を観測する。
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