研究課題/領域番号 |
23K26566
|
補助金の研究課題番号 |
23H01873 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
森田 隆二 北海道大学, 工学研究院, 教授 (30222350)
|
研究分担者 |
戸田 泰則 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00313106)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
|
キーワード | 光渦 / 超短光パルス / 時空間結合 / 超高速ビーム制御 / 擬粒子励起 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,光の持つ位相・偏光の空間的特異性・非一様性に着目し,申請者ら現在までに独自に開発したモノサイクル光パルス発生技術である極限的時間領域・周波数領域位相変調技術,トポロジカル光波を発生する空間的位相・偏光制御技術,さらには光波時空間結合コヒーレント合成技術を融合させる。これにより,らせん形状や円筒対称性を維持しながらTHzの速さでビームパターンを自在に変化させることができる動的光モード変調技術の開発・確立,およびその技術を用いて物質系における擬粒子励起を行い,伝播過程を利用したコヒーレントな制御・増強,また対称性を有した新奇現象の探索を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は,光の持つ位相・偏光の空間的特異性・非一様性に着目し,申請者らが現在までに独自に開発したモノサイクル域光パルス発生・制御技術,さらには光波時空間結合コヒーレント合成技術を用いることにより,以下のことを行うことである。すなわち,時間的にチャープした光渦パルス等のコヒーレントビーム合成による,らせん形状・円筒対称ビームパターンTHz変調手法の確立,この技術を発展させ,様々ならせん形状・円筒対称を持つTHz変調動的光モードの生成,さらに生成ビームによる物質系における擬粒子励起とそのコヒーレント伝播制御・増強・対称性を有した新奇現象探索を行うことである。
既に申請者らは,THz回転周波数の超高速回転光格子(光渦ペア)発生に成功しているが,これは方位角依存の位相の干渉効果によるものである。物質系における擬粒子励起などの応用を考え,当該年度はさらなる自由度として動径座標依存の位相変調の導入を行った。「方位方向依存位相+動径方向依存位相」の干渉効果を用いると,「らせん方向」ビーム変調が可能となり,これを超高速で回転させることができる。
具体的には,動径方向依存+方位方向依存位相変調の自在性を与えるため,プログラマブル空間位相変調器を用いており,その光損傷閾値を超えない程度の光源の増幅を行っている。また,光渦の重ね合わせ光学系としては,光損失が少なく安定でロバストなコヒーレントビーム合成光学系を,Sagnac型干渉計光路を用いて構築している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物質系における擬粒子励起などの応用を考え,当該年度はさらなる自由度として動径座標依存の位相変調の導入を行った。「方位方向依存位相+動径方向依存位相」の干渉効果を用いると,「らせん方向」ビーム変調が可能となる。このような「らせん方向」ビーム変調可能な実験光学系を構築できていることから。
|
今後の研究の推進方策 |
光渦は,断面内の方位方向指数(トポロジカルチャージ,位相の回転数に対応)とともに,動径方向指数(動径方向の節数に対応)により決定される様々な空間モードを有する。これら,様々な空間モードパターンを持ち,時間チャープを有する光渦パルスペアに時間遅延を与えて重ね合わせると,ビーム断面内で,方位方向だけでなく,動径方向にも強度パターンを高速に変化させることができる。今後は方位方向位相変調と同時に,動径方向依存位相変調を加えた上で,らせん形状を維持しながら,超高速で自在かつ安定に方位方向・動径方向の2次元的なビーム強度パターンを変化させる手法を確立する。
|