研究課題/領域番号 |
23K26574
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補助金の研究課題番号 |
23H01881 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
武安 伸幸 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (90373323)
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研究分担者 |
紀和 利彦 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (00379710)
庄司 暁 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20437370)
大久保 貴広 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30385554)
狩野 旬 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (50375408)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 銀樹状構造 / 自己成長 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,光照射下で成長する銀樹状構造について,その作製条件と形状・サイズとの関係を明らかにする.新しく得られた知見に基づき,フラクタル形状を特徴付ける「フラクタル次元」と「世代数」が制御された銀樹状構造を光照射下で成長させることのできる大面積加工技術を確立する.さらに,フラクタル次元と世代数の揃った銀樹状構造を用いて,可視からテラヘルツ波といった広帯域においてフラクタル形状に特徴的な光学応答を探究する.
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研究実績の概要 |
本研究では,光照射下で成長する銀樹状構造について,その作製条件と形状・サイズとの関係を明らかにする.新しく得られた知見に基づき,フラクタル形状を特徴付ける「フラクタル次元」と「世代数」が制御された銀樹状構造を光照射下で成長させることのできる大面積加工技術を確立する.さらに,フラクタル次元と世代数の揃った銀樹状構造を用いて,可視からテラヘルツ波といった広帯域においてフラクタル形状に特徴的な光学応答を探究する. 初年度は,新たに青,緑,赤,近赤外CWレーザーを購入し,光を照射しながら銀樹状構造を成長させることのできる光学系を構築した.本光学系を用いて,照射光強度を変えながらナノプレートをシードとして用い,緑レーザー照射下で銀樹状構造を成長させたところ,フラクタル次元の低い構造や2本の枝が並走するように伸びた構造などが見られた.また初年度は,銀樹状構造の観察や光学的性質を評価するために必要となる基盤技術も研究した.置換めっきを利用して,銀樹状構造を金樹状構造へと変換する技術や銀樹状構造表面をシリカ薄膜で被覆する技術を開発した.これらの技術は表面増強ラマン散乱(SERS)応用に有効である.SERS計測の高感度化についても検討した.1体の銀樹状構造で532 nmと785 nmの励起波長を用いてSERSマッピングを測定して波長の違いによる増強電場の分布の違いを観測したり,アミノ酸のSERSスペクトル形状変化についても検討した.銀樹状構造のテラヘルツ域での光学応答を調べるために,銀樹状構造をPMMAに包埋する技術を開発した.銀樹状構造をPMMAに包埋することにより,個々の構造が凝集することなく,分散した状態でテラヘルツ光の透過率を測定できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
光による銀樹状構造の成長については,従来の濃度では析出した銀の量が多過ぎて,光が溶液中を照射できなくなるため,適切な濃度を見つける必要があった.また,銀樹状構造の形状観察では,構造1体の電子顕微鏡像を取得する必要がある.そのためには,作製した銀樹状構造の凝集を回避する必要があるが,多くの場合,銀樹状構造が重なり合ったものが観測される.現在,1体の銀樹状構造を効率よく観察する手法を模索している.
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今後の研究の推進方策 |
溶液中で成長した銀樹状構造1体を観察できる手法を模索する.現在,遠心分離や超音波を利用する手法や金属の基板を用いる,或いは金属基板にシードを植え付ける手法などを試している. 光照射下における自己成長については,今年度,青,赤レーザー照射も試し,成長する銀樹状構造の形状を比較する.さらに,そのような構造が光照射領域全体に成長することを確認する.その際,シードの濃度や種類依存性についても調査する.また,銀樹状構造のどこにどの光が結合するか,光硬化性樹脂やラマンマッピングを用いて調査する.フラクタル次元の異なる銀樹状構造を作製し,そのテラヘルツ光学応答を調査する.また,金樹状構造への変換や銀樹状構造表面における光化学反応についても引き続き調査する.
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