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革新的なシリコンフォトニクスサポートベクターマシンの基盤構築と多層化

研究課題

研究課題/領域番号 23K26578
補助金の研究課題番号 23H01885 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分30020:光工学および光量子科学関連
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

Cong Guangwei  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (20470049)

研究分担者 山本 宗継  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究主幹 (00358285)
山田 浩治  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 総括研究主幹 (50574927)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
キーワード光ニューラルネットワーク / フォトニクスプロセッサ / 光演算 / シリコンフォトニクス / 光集積回路 / サポートベクターマシン / フォトニクスニューラルネットワーク / support vector machine / photonic circuits / silicon photonics / optical computing / optical AI
研究開始時の研究の概要

CMOS技術は数十年の微細化を経て,物理限界に迫りつつあり,従来のデジタルプロセッサの持続可能な性能向上が困難であることが指摘されている.その一方で,デジタルプロセッサで構築されたAIシステムの大規模化が続けられ,演算遅延と消費電力が顕著に増加している.既存のデジタルプロセッサ技術による大規模AIシステムの演算遅延と消費電力の問題を解決することは困難である.本研究では、多層写像式光ニューラルネットワークの演算方式を提案し,シリコン光集積回路で実現する。同じ演算タスクに対して従来のデジタルプロセッサにより、高速・低遅延・低消費電力の分類演算を実現することを目指す。

研究実績の概要

本研究は、サポートベクターマシンの写像原理に基づく写像式フォトニクスニューラルネットワーク(フォトニクスサポートベクターマシン(PSVM)といわれるもの)の多層化を目的とする。この技術はデジタル電子回路や光電・電光変換による活性化関数が不要で、本提案のデバイス内に光を伝搬させるだけで機械学習の演算が完了できるため、究極的に低消費電力・低遅延・リアルタイム性に優れた光演算が可能となる。本年度では、実施した内容と得られた成果を下に示す。
(1)高速RF入力用16本高速変調器と2個ユニタリ演算とするマッハツェンダー干渉計のメッシュ(8x8)を備える2層のPSVMデバイスの設計を完成し、産総研SCRでの相乗り試作に投入してデバイス試作が開始された。最終年度でのPSVMの実証実験に向けた必要な準備のため、シリコンフォトニクスデバイスの加工誤差や使用環境に対する敏感性の対策として、変調器やリング等のデバイスを自動的に機能構成するQ学習手法を開発・実証した。
(2)多層化構造の最適化のため、フォトニクスニューラルネットワーク(PNN)のシミュレーションプログラムを開発し、理論検討を完成した。入力された2つベクトルの乗算による構築したバイリニア非線形写像によって高性能な分類演算を得ることを明らかにした。三つAIベンチマーク(MNIST、Fashion、KMNIST)において、従来の光NNより高い理論正解率(~97.9%, ~87.7%, ~90.3%)が得られることが示されている。
(3)PSVMデバイスでの実証実験に向けて、実装モジュールの設計と製造を行った。そこで、RF配線設計と熱対策を検討するための熱分布のシミュレーションおよびモジュール製造を完成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初は年度ごとに遂行することを計画していた「デバイス設計と理論検討、高速入力用変調器との集積とデバイス試作、実装と実証実験」という三つの項目を初年度から並行して実施した。本年度では、理論的な側面は当初の計画以上に進展し、デバイス設計を完成し、デバイスの実機学習手法を開発し、産総研SCRでの相乗り試作が開始され、実装用モジュールの設計と製造が完成したので、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

これまで本研究を順調に進めることができているため、続けて下に示す項目に取り組む予定である。
(1)試作が開始されたデバイスを完成し、モジュール化のための電気実装とファイバアレイ実装を行う。
(2)高速RF入力を備える多層化フォトニクスニューラルネットワークデバイスは世界初となり、制御手法と学習手法を開発する。
(3)本提案のインパクトを強めるため,開発した学習手法を実装したモジュールで検証し、最終年度での実証実験にて上述のデバイスのAIベンチマーク等の光演算の能力を評価する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Implementing Optical Analog Computing and Electrooptic Hopfield Network by Silicon Photonic Circuits2024

    • 著者名/発表者名
      Cong Guangwei、Yamamoto Noritsugu、Inoue Takashi、Maegami Yuriko、Ohno Morifumi、Kita Shota、Kou Rai、Namiki Shu、Yamada Koji
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences

      巻: E107.A 号: 5 ページ: 700-708

    • DOI

      10.1587/transfun.2023GCI0001

    • ISSN
      0916-8508, 1745-1337
    • 年月日
      2024-05-01
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 光コンピューティングにむけたシリコンフォトニクス技術2023

    • 著者名/発表者名
      コン グアンウエイ、山田 浩治
    • 雑誌名

      レーザー研究

      巻: 51 ページ: 629-633

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] シリコンフォトニクス回路による機械学習タスクの実装2023

    • 著者名/発表者名
      コン グアンウエイ
    • 雑誌名

      MICROOPTICS NEWS

      巻: 41 ページ: 13-18

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Reinforced Q-Learning Enabled Automatic Blind Working Wavelength Alignment Against Wide Input-Wavelength Shifts and Temperature Variations for Silicon Photonic Vernier Ring Filters2024

    • 著者名/発表者名
      Guangwei Cong, Ryotaro Konoike, Keijiro Suzuki, Noritsugu Yamamoto, Rai Kou, Yuriko Maegami, Morifumi Ohno, Kazuhiro Ikeda, Shu Namiki, and Koji Yamada
    • 学会等名
      OFC2024, Th1A.4
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] シリコン光集積回路におけるオンチップAIの実現と応用2024

    • 著者名/発表者名
      叢光偉, 鴻池遼太郎, 鈴木恵治郎, 山本宗継, 高磊, 前神有里子,大野守史,池田和浩, 並木周, 山田浩治
    • 学会等名
      2024年電子情報通信学会総合大学、依頼シンポジウムBI-9
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Machine Learning Training in Silicon Photonic Circuits2023

    • 著者名/発表者名
      Guangwei Cong, Noritsugu Yamamoto, Takashi Inoue, Yuriko Maegami, Morifumi Ohno, Shota Kita, Shu Namiki, and Koji Yamada
    • 学会等名
      Frontiers in Optics + Laser Science 2023 (FiO, LS), FM6D.2
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] シリコンフォトニクス回路による機械学習タスクの実装2023

    • 著者名/発表者名
      コン グアンウエイ
    • 学会等名
      第169回微小光学研究会 「光コンピューティングの新たな潮流」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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