研究課題/領域番号 |
23K26581
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補助金の研究課題番号 |
23H01888 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所 |
研究代表者 |
滝口 雅人 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, ナノフォトニクスセンタ, 主任研究員 (90728205)
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研究分担者 |
倉持 栄一 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, ナノフォトニクスセンタ, 主任研究員 (10393802)
舘野 功太 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 多元マテリアル創造科学研究部, 主任研究員 (20393796)
中山 和之 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 特任助教 (80602721)
章 国強 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, フロンティア機能物性研究部, 主任研究員 (90402247)
高田 健太 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, ナノフォトニクスセンタ, 主任研究員 (90786659)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
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キーワード | フォトニック結晶 / リミットサイクル / 同期 / 共振器 / 自励振動 / 光双安定 / 光子相関 / 結合共振器 / ナノ共振器 / 量子光学 |
研究開始時の研究の概要 |
特に本研究提案では、[テーマ1]リミットサイクル振動子を用いたフォトニック結晶共振器・同期パルス光源の開発を中心におこない、[テーマ2]化合物集積した結合共振器による位相同期レーザの開発についてもすすめる。挑戦的テーマとして[テーマ3]フォトンブロケードを用いた単一光子源の観測も立ち上げる。このように、自然界で普遍的なリミットサイクルを工学的に利用し、新たなアプリケーションの創出に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では結合共振器系におけるリミットサイクルの同期現象を目的としている。リミットサイクル(自励振動)は非平衡開放系にみられる普遍的な物理現象であり、数理モデルとして良く知られる蔵本モデルでは、結合しているリミットサイクル振動子は同期現象を示すことが知られている。フォトニック結晶を用いれば、超低パワーで動作するリミットサイクル光源を実現でき、将来のオンチップ光演算素子の実現に大きく貢献する。企画段階では、[テーマ1]リミットサイクル振動子を用いたフォトニック結晶共振器・同期パルス光源の開発、[テーマ2]化合物集積した結合共振器による位相同期レーザの開発、そして、挑戦的テーマとして[テーマ3]フォトンブロケードを用いた単一光子源の観測を主要テーマとして設定した。特に初年度は、本研究の中核となる原理検証を行うために[テーマ1]に注力した。具体的には、Siフォトニック結晶の結合共振器素子を作製し、さらに測定系を立ち上げた。特に、本測定では、2ポートの出力導波路からの信号を同時に測定する必要があるために、ファイバーアレーを配置できるように改良した(これにより2共振器間の相関を測定可能になった)。さらにこの系で実際に素子の透過測定を行い、このフォトニック結晶が2光子吸収により熱非線形が誘起されることを共振器スペクトルの変化から確認し、入力光(CWレーザ)がパルス化する自励振動現象を測定した(同時に光双安定も確認している)。さらに、それぞれ独立した2つの共振器の自励振動現象をそれぞれ確認し、光子相関測定により、それぞれの信号の相関を測った。その結果、2つの自励振動が同期することを実験的に明らかにすることができた。本成果は、国際会議(CLEO2023)で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた最初のマイルストーンである結合共振器系における自励振動の同期を確認できた。また、国際会議での報告も実施済みであり、おおむね順調に進展している。また並行して、今後の展開をにらみ、ナノワイヤによる新しい共振器構造の提案についても研究を進めており、国内学会での発表を2件実施した。
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今後の研究の推進方策 |
速やかに結合共振器系における自励振動の同期の実験結果を論文発表するとともに、レーザ素子における同期を進める予定である。また、ナノワイヤのような自由に光源をチップ内に配置できるような材料を用いて結合共振器系を構築することも試みる予定である。
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