| 研究課題/領域番号 |
23K26616
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| 補助金の研究課題番号 |
23H01923 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊都 将司 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (10372632)
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| 研究分担者 |
渡邉 望美 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (40892683)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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| キーワード | 単一分子イメージング / 脂質膜 / 単色励起蛍光スイッチング / ジアリールエテン誘導体 / 蛍光スイッチング分子 / 蛍光スイッチング |
| 研究開始時の研究の概要 |
非常に多数個の単一分子の挙動を広範な時間スケールで計測して,多数の分子が階層的に,密接に相互作用して機能を発現する物質系に対しその機構を単一分子レベルで解明することは未だ困難である。しかし申請者は近年,蛍光スイッチング特性を示す分子系をプローブとして用いることで,一万個以上の単一分子を数時間に渡って観察可能であることを実証し,上記課題解決に向けた有望な方法論を開拓した。本研究ではこの手法を駆使し,基礎化学・生物学的にも,創薬やドラッグデリバリーなど応用上も重要な,脂質膜の構造変化や相転移,膜融合を対象として,これら分子集合体のダイナミクスを脂質分子一個一個の分子の振る舞いと相関づけて解明する。
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| 研究実績の概要 |
単一分子検出(分光・イメージング)の一般的な測定対象は孤立した(光学顕微鏡像で識別可能な)単一分子であり,分子が多数存在し相互作用する状況下で一個一個の分子の動態を長時間計測することは今なお困難である。そこで本研究では,多数個の「単一分子」の挙動を広範な時間スケールで計測し,分子が密接に階層的に相互作用して機能を発現する系に対し,その機構を単一分子レベルで解明することを目標とする。 上記目的の原理検証に向けた測定対象として,リン脂質(DOPCなど)から成る脂質膜の微小領域における集合構造変化とそれに伴う物性変化を追跡可能とする実験系の構築と評価を実施してきている。2024年度は,2023年度に構築した測定系を用い,また2023年度に得た知見に基づき,水中で基板上に成膜したリン脂質膜に内包された蛍光スイッチ分子(ジアリールエテン(DAE)誘導体など)の単色励起蛍光スイッチング(MEFS)単一分子追跡を実施した。種々の作製手法により水中の固体基板上に作製した脂質膜中のDAE誘導体の単色可視光励起下の蛍光スイッチ特性を評価した。得られた単一分子イメージングデータの解析から,各分子の位置の超解像マッピング(存在確率密度分布),拡散係数の2Dマッピングに成功し,MEFS単一分子追跡による脂質膜評価の効果を参照系で実証することができた。加えて,種々のDAE誘導体の基本的な蛍光スイッチ特性の評価を高分子系などを参照ホスト系として実施すると共に,単一分子に比べ光褪色に対する耐久性がより高い,分子集合体から成る発光スイッチングプローブの開発も引き続き実施した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べたように,2024年度は前年度に構築した,極めて多数個の単一分子を長時間イメージングするための実験系(測定装置及び試料)を用いて,DOPCなどの脂質膜中の蛍光スイッチング分子(ジアリールエテン(DAE)誘導体)のMEFS単一分子追跡を実施し,DAE誘導体の膜中での蛍光スイッチング特性が目的とする単一分子追跡に適したものであるか,長時間の計測が可能かなどについて,種々の方法で作製した脂質膜中に内包させたDAE誘導体に対して測定,評価した。その結果,試料セル中の水の蒸発などによる制限はあるものの,概ね1時間程度以上のMEFS単一分子イメージングが達成でき,得られた単一分子データから,個々の分子の拡散の軌跡や存在位置の空間マップ(存在確率密度の空間分布,超解像PALM像と本質的に同様のイメージ),拡散係数の空間マップなどの取得にも成功し,本研究のアプローチが目的に対して適したものであることが確認できた。さらに種々のDAE誘導体のMEFSによる蛍光スイッチング特性を評価した。 同時に,光退色に対する耐久性が孤立した単一分子より高く,蛍光スイッチング特性を示すナノサイズ発光材料の開発も進めた。光異性化分子系で構成されるナノ粒子を調製し,その発光挙動を単一粒子レベルで検出し明滅機構に対してより詳細な知見を取得した。 上記のように,研究は概ね順調に進展中である。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまで(2023-2024年度)の研究で得られた知見に基づき,代表的なリン脂質(ホスファチジルコリン(PC)など)で形成される脂質膜中の単一脂質分子の挙動をMEFS単一分子追跡により評価する。そのために,脂質分子に対して共有結合でDAE誘導体を結合させたサンプルを準備する。脂質分子とDAE誘導体を結合させた脂質分子との混合膜を作製し,脂質分子の挙動をMEFS単一分子追跡により評価する。脂質膜中にナノサイズの構造が存在する系(細胞膜のモデル系)や,転移温度が異なり相分離を示す2種以上の脂質分子を混合して作製した多成分膜などを対象として,膜中の脂質分子の挙動を単一分子レベルで追跡する。得られたMEFS単一分子イメージングのデータをこれまで構築した解析手法により詳細に解析し,膜のナノ構造を可視化し,また拡散係数の空間マップなども同時に取得することで,界面での脂質分子の特異的な挙動や,構造と物性との相関など関して,単一分子の挙動から明らかにする。蛍光スイッチング特性を示すナノサイズ発光材料の開発から得られた知見なども含め,本研究で得られた実験・解析データ,知見をまとめ,学会や論文などで発表する。
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