研究課題
基盤研究(B)
特定数の配位子と金属原子から構成される金属クラスターは、バルクの金属とは異なる特異的な物性を発現する。その物性は離散的なエネルギー準位を取る超原子軌道に基づく電子構造に由来し、クラスターの組成・原子配列などの構造因子に依存する。一方、多くのクラスターが有するイオン性の特徴にはあまり注目されていない。本研究では、金属クラスターの荷電状態が重要な構造因子となり得ることを提案し、イオン対工学に基づく機能物性設計の方法論を確立することを目的とする。適切な対イオンの選択により、電荷の局在状態を通じて、金属クラスター静電場(広がり、異方性など)を制御し、超原子軌道を含めたエネルギー準位へアプローチする。