研究課題/領域番号 |
23K26637
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補助金の研究課題番号 |
23H01944 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
豊田 真司 東京工業大学, 理学院, 教授 (80207646)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 芳香環 / 大環状分子 / らせん分子 / 密集分子 / 機能化 / パイ共役系 / 大環状化合物 / 拡張ヘリセン / ホストゲスト / キラル光学特性 / 立体効果 |
研究開始時の研究の概要 |
芳香環の部品を組み合わせて分子の構造や空間を自在に設計し,新しい化学物質を創製する芳香環ナノアーキテクトの発想に基づいた化学を新展開するために,芳香族ユニットを集合,縮合,修飾することにより,構造や空間が最適化された大環状分子,らせん形分子,密集パイ共役系分子を設計する.これらの標的化合物を合成し,構造や電子状態を解明し,特異な性質や機能を創出する.大環状分子では構造のパイ系拡張・多様化および最適空間を利用したゲストの包接を,らせん分子ではヘリセン構造の拡張と高キラル光学活性物質の設計を,密集分子では異常接近原子をもつグラフェン類似構造について研究する.
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研究実績の概要 |
芳香環の部品を組み合わせて分子の構造や空間を自在に設計し,新しい化学物質を創製する芳香環ナノアーキテクトの発想に基づいた化学を新展開するために,アントラセンを集合,縮合,修飾することにより構造や空間が最適化された大環状,らせん形,密集パイ共役系分子をを研究の対象とした.研究期間の1年目である今年度は,目的化合物の設計と合成を中心に研究を実施した. 大環状分子では種々の置換基を有するアントラセン環状オリゴマーを合成し,ケージ化合物とフラーレンゲストとの会合の置換基効果,および包接されたゲスト分子の挙動について新しい知見を得た.また,アントラセンを有する配位子と金属イオンとの配位結合を利用してケージ形錯体の構築に成功した.ケージ外部の置換基の立体環境により,単純なケージとインターロックしたケージの変換および制御に成功した. らせん分子ではアントラセンを連続的に縮合した拡張ヘリセンを合成した.3つのアントラセンを縮合した系では,種々の置換基を導入した誘導体の構造を調べ,置換基の立体障害のとらせん構造の変形およびキラル光学特性(円二色性および円偏光発光スペクトル)の関係を明らかにした.長いらせん構造をもつ拡張ヘリセンの合成を計画し,基本的な反応の条件を最適化した. 密集分子では二つまたは三つのアントラセンを縮合した構造を基盤として,非常に接近した水素原子をもつ環状芳香族化合物を標的として研究を行った.いくつかの誘導体の構造を詳しく解析し,理論計算およびスペクトル測定により立体障害に伴う異常な環境を調べた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大環状構造では,新しいケージ化合物とフラーレンとの包接化合物の構造および結晶中におけるゲスト分子の挙動について,また配位結合を利用したケージの構築と立体効果によりケージ構造の制御についてそれぞれ成果が得られ学術論文として発表した.らせん分子では,新しい数種のエナンチオマーの単離に成功し,構造とキラル光学特性の関係をまとめた成果を学術論文として発表した.密集分子では二つの系列の化合物の合成に成功し,分子内の水素原子が非常に接近していることを明らかにした.基本的なデータはすでに得られ,構造的な特徴をさらに議論するための理論計算を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ本研究課題はおおむね順調に進行しているので,当初の研究計画に従い今後の研究を進めていく.大環状構造では,溶解性を向上した大きいリング化合物の合成に取り組む.らせん分子では,ビアリール型のエナンチオマー分割,高度に伸長した拡張ヘリセンの合成を行う.密集分子では,非常に接近した水素原子の電子的な環境を理論計算により解析し,接近の限界を確かめるための合成実験,測定,計算を行う.
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