研究課題
基盤研究(B)
ペルスルフィドやポリスルフィドの酸化により生成する超硫黄活性種は、レドックス制御やシグナル伝達において重要な役割を果たす化学種として注目を集めている。しかし、これらは通常きわめて不安定であるため、人工系では安定な化合物の合成が困難であり、化学的情報がほとんど得られていない状況である。本研究では、超硫黄活性種をナノサイズの有機分子クレードル内部に固定することで安定化を図り、様々な超硫黄活性種の「標準物質」を合成・単離するとともに、その構造、スペクトル性質、および反応性を直接的に解明することで、超硫黄活性種の生体内での作用機序を解釈する上で基盤となる化学的情報を得る。