研究課題
基盤研究(B)
生命系には多種の構成要素から成る複雑かつ準安定な多成分自己集合体は速度論支配によって生成する。速度論支配の化学反応をコントロールする鍵は経路選択であるが、分子自己集合のように多数の可逆な素反応からなる反応ネットワーク上を進行する化学反応における経路選択の一般原理や戦略はこれまで明らかにされていない。本研究では、可逆な配位結合からなる配位自己集合を対象として、多成分自己集合体を経路選択する一般手法を開発し、熱力学支配では不可能な準安定集合体の選択形成を通して、新物資の合理的かつ簡便合成を達成することで物質科学に資するとともに、速度論支配の分子自己集合における一般原理の一端を解き明かす。