研究課題/領域番号 |
23K26669
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補助金の研究課題番号 |
23H01976 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊東 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 招へい教授 (30184659)
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研究分担者 |
杉本 秀樹 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00315970)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 単核銅活性酸素錯体 / 酸化反応機構 / 反応制御 / 分子状酸素の活性化 / 金属酵素活性中心モデル |
研究開始時の研究の概要 |
銅中心における分子状酸素の活性化は、生体内反応や各種触媒反応の酸化プロセスに含まれる重要なステップである。しかし、単核銅-活性酸素錯体の化学は、鉄やコバルトの場合に比べると遅れている。そこで本研究では、単核銅中心における分子状酸素の活性化に焦点を当て、銅(II)-スーペルオキシド錯体、銅(II)-ヒドロペルオキシド種、および、単核銅-オキシル錯体の構造と物理化学的特性の評価、および反応性の制御と脂肪族および芳香族化合物の酸化反応機構について検討を行う。得られた成果を基に、これまで全く未解明であった単核銅オキシラジカル錯体の化学を開拓する。
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研究実績の概要 |
【配位子設計と合成】嵩高く強い電子ドナー性を有するテトラアルキルグアニジノ基を導入した一連の二座、三座、および、四座配位子を合成した。テトラアルキルグアニジノ基は、その強い電子ドナー性により金属の高原子価状態を安定化し、その嵩高さにより単核の活性酸素錯体の失活を抑えることができる。また、強い塩基性を有しているため、基質からのプロトン引き抜き反応を加速することができるとともに、水素結合受容体としての機能も期待できる。本年度は、銅中心の配位構造を精密に制御するために、cis,cis-1,3,5-Triamino-cyclohexane (tach)やTris(2-aminoethyl)amine] (tren)、さらに、Diethylenetriamine) (dien)の骨格にテトラメチルグアニジノ基 (TMG)を導入した配位子を設計して用いた。tach、tren、および、dien配位子は、銅中心の構造を、それぞれ、四面体型、三方両錐型、および、平面型に規制することが出来る。さらに、レドックス活性な二座配位子であるフェニレンジアミン部位にTMG置換基を導入した配位子を合成し、分子状酸素の活性化に及ぼす金属中心と配位子の共同作用機構についても検討した。 【銅(I)および銅(II)錯体の合成と構造および物性の評価】 調製した各配位子を用いて銅(I)および銅(II)錯体を合成し、構造と各種分光学的特性を明らかにするとともに、酸化還元電位を決定した。得られたデータをもとに、銅錯体の構造と物性の相関関係を明らかにした。 【銅(I)および銅(II)錯体の反応性】 分子状酸素や過酸化水素、および過酸との反応について検討した。生成した銅錯体については、 紫外可視吸収スペクトルや電子スピン共鳴スペクトルを測定して、電子構造や磁気的特性を明らかにした。安定な錯体については単離・結晶を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一連の配位子の合成、それらを用いた各銅(I)および銅(II)錯体の合成と構造決定、および分光学的特性の評価と酸化還元電位の決定を行い、銅錯体の構造と物性の相関関係を明らかにすることが出来た。また、錯体の反応性に及ぼす錯体構造の影響に関する検討のための準備を行った。従って、研究は概ね当初の予定通りに進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
1.初年度に合成した、各銅(I)錯体と分子状酸素との反応について検討を行い、生成する酸素錯体の構造や分光学的特性を明らかにする。さらに、各銅酸素錯体の生成機構や外部基質との反応性につて検討を行い、銅中心の構造との相関関係を明らかにする。 2.各銅(II)錯体と過酸化物(過酸化水素や過酸)との反応についても系統的に検討を加え、生成する活性中間体の構造や物理化学的特性を明らかにする。さらに、外部基質との反応についても検討し、構造と反応性の相関を明らかにする。 3.上記の検討結果を基に、単核銅オキシル錯体の選択的な調製法を確立し、その構造、物理化学的特性、反応性を明らかにする。さらに、外部基質の酸化反応機構について検討を行い、金属酵素反応機構について考察を加える。
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