研究課題
基盤研究(B)
申請者らはPierpontらの発見を皮切りに精力的に研究されてきた二つの原子価互変異性体に対し、第三の互変異性体(ls-[CoII])を世界で初めて見いだした。その形成の鍵は、高対称性コバルトージオキソレン錯体が形成する分子性CH-π格子とそれにより歪んだCo周りの分子構造である。本研究では、第三の互変異性体の性質と形成機構の解明に加え、分子性CH-π格子の制御とその多重安定化による「外場適合型分子性格子に立脚した創発機能化学」の学理構築を目的とする。これにより従来の双安定系とは一線を画す非平衡開放系における電子的に活性な分子の動的コミュニケーションに基づく創発機能化学を展開する。