研究課題/領域番号 |
23K26689
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補助金の研究課題番号 |
23H01996 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
浅川 大樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 上級主任研究員 (60584365)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 質量分析 / エレクトロスプレー / 温度計イオン / 内部エネルギー分布 / 圧力 / 気相イオン |
研究開始時の研究の概要 |
気相イオンの質量を計測する質量分析法において、気相イオンの分解の制御は重要であるが、分解過程において最も重要な物理量である気相イオンの温度の計測は困難であった。本研究は、これまでに開発した「温度計イオン」をプローブとする「気相イオンの温度計測法」を用いて、質量分析装置内における気相イオンの分解の制御を目指す。特に、質量分析で生体分子を分析する際の誤同定の原因となるイオン化と同時に起こる気相イオンの分解について着目し、気相イオンの温度上昇を抑制した気相イオンの分解を伴わないイオン化法の実現を目指す。本研究により、気相イオンの分解に伴う分子の誤同定を防ぎ、化学分析の高精度化への寄与が期待される。
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研究実績の概要 |
気相イオンの質量を計測する質量分析法において、気相イオンの分解の制御は重要であるが、分解過程において最も重要な物理量である気相イオンの温度の計測は困難であった。本研究は、イオンの気相における温度と解離速度の関係を明らかにし、気相イオンの温度計測のプローブとなる「温度計イオン」を開発する。この「温度計イオン」の開発により、質量分析装置内に存在する気相イオンの温度計測を可能にすることで、気相イオンの分解の定量評価、および制御を目指す。 本研究では、複数の新規温度計イオンを発見した。これらのイオンはそれぞれ、従来報告されている温度計イオンに比べて、より低温とより高温で分解する特性を有している。本研究によって、温度計イオンで評価可能な気相イオンの温度範囲の拡大に成功した。また、新規開発した温度計イオンを用いて、質量分析装置内に存在する気相イオンの温度を詳細に計測したところ、気相イオンの輸送の際に気体分子との衝突によって加熱が起こることが明らかとなった。特に、気相イオンの加熱の程度は、イオン輸送の際に使用するレンズ電圧や電極構造に強く依存することが明らかとなっている。 本研究の温度計イオンの開発によって、分子の分解を伴わない質量分析法の開発おける技術基盤を確立てきたと考えている。この分子・気相イオンの分解は、質量分析で生体分子を分析する際の誤同定の原因となっている。本研究の高度化によって、気相イオンの分解に伴う分子の誤同定を防ぎ、化学分析の高精度化への寄与が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規温度計イオンの開発、およびこれを利用した質量分析装置内に存在する気相イオンの温度計測について2報の原著論文を国際誌に発表した。また、気相イオンの分解について量子化学計算を用いて検討を行い、国際誌に原著論文を発表した。これらの成果は本研究課題の目的である質量分析法の高度化に繋がると考えており、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行った温度計イオンを用いた検討によって、大気環境から質量分析装置への気相イオンの輸送のための差動排気部の環境が気相イオンの温度に影響を与えることが明らかとなってきている。この第一真空チャンバーの影響を検討するために、質量分析装置と超大気圧下のエレクトロスプレーイオン源を接続する。また、従来使用しているロータリーポンプをメカニカルブースターポンプに変更する。これら2つの改良によって、差 動排気部の圧力等の制御が可能となる。さらにエレクトロスプレーイオン化によるイオン生成量をピコアンメータで計測し、気相イオンの生成量と温度の関係についても検討を行う基盤を構築する。 また新規温度計イオンの開発を継続的に行い、気相イオンの計測温度範囲の拡大、およびエレクトロスプレーイオン源、差動排気部の制御によって実験条件の変化による気相イオンの温度変化を定量的に捉えることが可能となる。これらのアプローチにより、気相イオンの分解制御の実現に向けて研究を進める。
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