研究課題/領域番号 |
23K26703
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補助金の研究課題番号 |
23H02010 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金澤 有紘 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50621322)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | カチオン重合 / リビング重合 / 開環重合 / 配列制御 / 分解性ポリマー / 共重合 / ビニルモノマー / 環状モノマー |
研究開始時の研究の概要 |
精密カチオン共重合法を構築して,分子量・モノマー配列・末端構造・分解性部位などの一次構造が精密に制御された高分子を創出することを目的とする。そのために,一般的な共重合とは一線を画す系として,ビニルモノマーと環状モノマーなど種類の異なる「異種モノマー」を組み合わせた共重合系を構築する。さらに,異種モノマー間の反応により形成される分解性結合に基づき,高分子への分解性付与・分解位置の制御を達成する。
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研究実績の概要 |
本研究では,精密カチオン共重合法を構築して,分子量・モノマー配列・末端構造・分解性部位などの一次構造が精密に制御された高分子を創出することを目的とする。本年度はおもに,(1)オキシランの開環リビングカチオン重合系の開発,(2)ビニルモノマーとのカチオン共重合が可能な環状モノマーの設計,(3)光開始・リビング・配列制御カチオン三元共重合系の開発,(4)新たな配列制御カチオン重合法の開発,について研究を進めた。 (1)では,異種モノマーのリビング共重合系の構築を見据え,オキシランの開環リビング重合系の開発を進めた。臭化アリル/AgSbF6/テトラヒドロピラン開始剤系により,適切な条件で系中で重合開始種を生成することで,エピクロロヒドリンなどの低反応性オキシランの制御重合が進行することを見出した。 (2)では,フルフラールから合成可能な環状ヘミアセタールエステル(アルコキシフラノン)が,単独重合性は示さないが,オキシランとの共重合は進行し酸分解性ポリマーを生成することを見出した。また,種々の糖由来環状アセタールを合成し,ビニルエーテルとのカチオン共重合を系統的におこなって,モノマー構造が共重合性に与える影響について明らかにした。 (3)では,光開始剤を用い,環状エーテル存在下で,ビニルエーテル,オキシラン,ケトンの配列制御リビングカチオン三元共重合が進行する系を構築した。モノマー構造や光開始剤の対アニオンなどがモノマー配列や重合制御性に及ぼす影響も明らかにした。 (4)では,活性化モノマー機構での開環カチオン重合とアセタール交換反応により進行する新たな系として,環状エステルと1,3-ジオキソラン-4-オンの開環カチオン共重合系の設計に着手した。 ほかにも,環状シリルアセタールの制御開環重合系の開発や,ポリ環状アセタールをマクロ開始剤に用いたリビング重合系の設計などをおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各テーマとも,研究計画に沿って着実に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度と同様に,分子量・モノマー配列・末端構造・分解性部位などの一次構造が精密に制御された高分子を創出可能な系の構築に向け,多様なカチオン重合を検討する。とくに,オキシランの開環カチオン重合の制御性の向上・適用モノマーの拡大,スチレン類をビニルモノマーとして用いるオキシランとケトンとの配列制御カチオン三元共重合系の開発,環状エステルと1,3-ジオキソラン-4-オンの開環カチオン共重合系での高分子量体生成・配列制御・適用モノマーの拡大,などをおこなっていく。また,環状シリルアセタールの開環重合では,リビング重合系の構築に向けた開始剤系の設計をおこなう。ポリ環状アセタールをマクロ開始剤に用いたビニルエーテルのリビングカチオン重合系の検討では,開始剤効率の向上を目指す。
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