研究課題/領域番号 |
23K26715
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補助金の研究課題番号 |
23H02022 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松本 英俊 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (40345393)
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研究分担者 |
山本 拓矢 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30525986)
宝田 亘 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50467031)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | ナノファイバー / 分子間相互作用 / 重水素効果 / サイズ効果 / 高分子鎖閉じ込め / ポリアミド / 水素結合 / エレクトロスピニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、重水素化溶媒による分子鎖間の相互作用の制御と直径サイズによる高分子鎖の閉じ込め効果の両方を適切に利用することによって、一次元ナノ空間における高分子鎖の配向・凝集構造を制御し、最終的に熱的・力学的性質などの物性向上のための合理的設計指針を示すことを目的とする。さらに、一次元ナノフィラーを複合化した高分子ナノファイバーを作製し、高分子鎖-フィラー間の相互作用が高分子鎖の閉じ込め効果にどのような影響を与えるのかについて調査する。
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研究実績の概要 |
本研究では、分子鎖間の相互作用の制御と直径サイズによる高分子鎖の閉じ込め効果の両方を適切に利用することによって、一次元ナノ空間における高分子鎖の配向・凝集構造を制御し、最終的に熱的・力学的性質向上のための合理的設計指針を示すことを目的としている。 本年度は、ポリアミド66およびポリアミド6について、エレクトロスピニングにおいて回転コレクタを使用することで、配列ナノファイバー試料を作製し、内部構造と物性を評価した。作製した直径135~500nmのナノファイバー試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、フーリエ変換赤外分光(FIIR)測定、広角X線回折(WAXD)測定、示差走査熱量(DSC)測定等のキャラクタリゼーションを行い、ファイバー直径分布、ファイバー内での水素結合形成、ファイバー内での結晶構造形成および配向状態について評価を進めた。 直径サイズが300 nm以下のナノファイバーでは、ファイバー内で結晶子のサイズが小さくなり、直径の減少に伴って弾性率と破断強度が大きく向上する傾向が見られた。またポリアミド6では、紡糸液の調製に使用する溶媒の選択が、作製されたナノファイバー内での水素結合および結晶構造の形成に大きな影響を与えることを明らかにした。 さらにポリアミド66およびポリアミド6以外の高分子として、ポリアミド11、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロスルホン酸アイオノマーについて、ファイバー直径が内部構造の形成に与える影響について調査を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種ポリアミドを用いた直径の異なるナノファイバーの作製と内部構造の評価については概ね順調に進捗している。本年度は、ポリアミド66およびポリアミド6ナノファイバーの直径サイズがファイバー内の分子配向と結晶構造の形成に影響することを確認し、さらに紡糸液調製に使用する溶媒の選択が、ファイバー内の水素結合および結晶構造の形成に大きな影響を与えることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、ポリアミド66およびポリアミド6以外の高分子について、分子間相互作用と直径サイズが、ファイバーの内部構造と物性に与える影響について調査を進める。併せて、これまでに得られた実験結果を整理し、特に溶媒種による分子間相互エネルギーの変化がファイバー内の分子配向と凝集構造の形成に与える影響について詳細に調査する。 さらに、ポリアミドと一次元ナノフィラーの複合化にも着手する。フィラーとして表面に多数のアミド基を持つアラミドナノファイバー(直径約5 nm)を使用し、溶媒種の検討による高分子鎖-フィラー間の相互作用制御とナノファイバーの細径化による閉じ込め効果の発現の可能性を探索する。
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