研究課題/領域番号 |
23K26744
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補助金の研究課題番号 |
23H02051 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下嶋 敦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90424803)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | シロキサン / ビルディングブロック / 配列制御 / 多孔体 / ナノ構造体 / 水素結合 |
研究開始時の研究の概要 |
シロキサン(Si-O-Si)材料は優れた化学的、熱的安定性などの特徴を有し、精密な構造制御によって幅広い応用が期待できる。本研究では、シラノール基などで修飾されたシロキサン化合物をビルディングブロックとして用い、分子を配列制御した後、シロキサン結合で架橋することによって分子レベルの規則性骨格を有する新しいシロキサン系ナノ材料を創出することを目的とする。ビルディングブロックの分子設計、配列場の制御、鋳型分子の利用などを駆使して、1次元ナノファイバー、2次元ナノシート、3次元多孔性骨格を構築し、分離膜、触媒、吸着材料などへの応用を目指す。
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研究実績の概要 |
1) 3次元多孔体の作製 二重6員環(D6R)構造のカゴ型シリケートの頂点にSiCH=CH2基やSiH基、SiOEt基を修飾する手法を確立し、それらをビルディングブロックとして、頂点官能基間のヒドロシリル化反応や、ルイス酸触媒を用いたシロキサン結合形成反応によって、3次元的な多孔性ネットワーク構造体の構築に成功した。この系において、カゴ型ゲルモキサン(Ge-O-Ge)化合物が新たな細孔形成のための無機鋳型として利用可能であることを示した。さらに、シラノール基で修飾された二重4員環(D4R)構造のカゴ型シロキサンとAl化合物等とのSi-O-M (M = 金属)結合形成により、孤立金属サイトを有する多孔体を得た。新しいメタロシロキサン系ビルディングブロックとして、2分子のカゴ型シロキサンがTi-O-Ti結合で架橋された二核金属サイトを有するダンベル型化合物の合成にも成功した。 2) 2次元構造体の作製 1頂点に長鎖アルキル基を修飾したカゴ型シロキサンの多層配列に成功した。層剥離によるナノシート化に向けた設計として、長鎖の第四級アンモニウム基を有する多層有機シロキサン構造体の作製も行った。さらに、界面活性剤の分子集合体を鋳型として用いたシリカナノシートの直接合成法も開発した。触媒への展開に向けて、層状ケイ酸塩を2次元の結晶性ナノシートとして用い、表面の金属修飾による触媒活性点の導入や、ナノ粒子との複合化による結晶性多孔体の作製にも成功した。 3) 1次元構造体の作製 ジメチルシラノール基修飾されたD6Rシロキサンの分子間水素結合による1次元配列を達成した。また、1次元配列を保持したまま分子間をシロキサン結合で連結するための制限場として、シリンダー状のナノチャネルを有する有機修飾型メソポーラスシリカの作製を行い、メソ孔内へのオリゴシロキサンの導入が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3次元多孔体の作製については、新しいビルディングブロックの利用や金属種の導入により様々な新規材料が得られている。また、1次元、2次元配列についても一定の成果が得られている。いずれの系についても論文発表を行っており、研究が順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
3次元多孔体の作製については、薄膜などへの形態制御や、金属種を導入したメタロシロキサン系材料の触媒特性評価を行う。1次元、2次元構造体の作製については、カゴ型シロキサンの1次元配列場としてのメソポーラスシリカや、2次元配列場としての界面活性剤の分子集合体を利用して、カゴ型シロキサンの1次元、2次元配列制御による規則性(結晶性)シロキサン材料の合成に取り組む。
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