研究課題/領域番号 |
23K26750
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補助金の研究課題番号 |
23H02057 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
上野 和英 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30637377)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | イオン液体 / Liイオン輸率 / 過冷却液体 / ガラス形成液体 / 電解質 / カチオン輸率 / 溶融塩 / リチウム系二次電池 / アルカリ金属塩 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は次世代高容量・高出力二次電池の実現へ向け、高イオン伝導性と高カチオン輸率を両立する液体電解質材料を開発することである。方法論として、独自に見出した「高分子の微量添加によるLi塩の超過冷却化・超可塑化」を様々なアルカリ金属塩-高分子へ拡張・探索することにより、長期間安定で高機能な室温溶融アルカリ金属塩を創製する。これを液体電解質として用いることで、シングルイオン伝導性(t+ ~ 1)を実現する。また、様々な系で得られた熱力学パラメータとイオン局所配位構造、高分子のコンフォメーションなどの構造化学データを基に、深過冷却化・超可塑化現象の学術的理解に迫る。
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研究実績の概要 |
低炭素化社会の実現へ向け、次世代蓄電池の開発は極めて重要な課題である。特に最近、電気自動車や定置型蓄電池の更なる普及拡大のため、Li系二次電池の高エネルギー密度化と急速充放電性能の向上が重要テーマとなっている。これを実現するには高い安全性を有し、且つ高いイオン伝導性だけでなく高いLi輸率(tLi)を示す電解質の開発が必須である。特に本研究では、高カチオン輸率 (t+ ~ 1)を実現する液体電解質材料として溶融アルカリ金属塩(イオン液体)を対象とし、我々が進めてきた「高分子の微量添加によるLi塩の過冷却化・超可塑化技術」を様々なアルカリ金属塩-高分子へ拡張・探索することにより、長期間安定で高機能な室温溶融アルカリ金属塩を創製することを目的としている。本年度、ナトリウム塩やカリウム塩など様々なアルカリ金属塩-高分子混合系を調査し、Li塩と同様にこれらが高分子添加によって室温で液体状態となる溶融アルカリ金属塩を形成することを確認した。また、それらのイオン伝導性、カチオン輸率、粘性率、電気化学安定性と分子構造、混合比率の関係性について調査し、高いイオン伝導性と過冷却安定性を得るために必要な因子について理解を進めた。また、非理想的な混合液体としての特徴を明らかにするため、Tgなどの熱的パラメータに加え、混合時の過剰体積を測定した。また、分光学的手法、計算化学手法の組合せによってイオン間、イオン-高分子間の相互作用エネルギーを調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書に記載のとおり、本年度予定していたリチウム塩以外のアルカリ金属塩での室温過冷却液体化を実現し、これに必要な高分子構造、アニオン構造、混合組成に関する知見を得た。リチウム系を含め、これらの結果から、低いTg、低い粘性率、優れたイオン輸送特性を示す液体電解質を実現するための分子論的条件に関する情報も得ることができた。さらに、基礎的な物性として、高分子添加系において正の過剰体積が観測できたことは、高分子添加によるアルカリ金属塩のガラス転移温度の低下という特異な現象の理解・解明に重要な実験データとなると考えらえる。 以上の結果をもとにPCT出願を進めることができたことも本年度の大きな成果の一つである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上記の検討に加え、検討対象として、非水系電解液に用いられるアルカリ金属塩(LiPF6, NaCF3SO3, KBF4など)とカチオン配位サイトを有する高分子(ポリエステル、ポリエーテルなど)探索域を広げ、着実に基礎データを積み上げていくとともに、高イオン伝導性と高カチオン輸率を両立する液体電解質を実現し、二次電池への適用可能性を実際の充放電測定によって実証する。さらに、様々な系で得られた熱力学パラメータとイオン局所配位構造、高分子のコンフォメーションなどの構造化学データを基に、本研究課題の重要な問いである深過冷却化・超可塑化をもたらす因子の解明に繋げる。
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