研究課題/領域番号 |
23K26752
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補助金の研究課題番号 |
23H02059 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
柿沼 克良 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60312089)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2023年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 燃料電池 / 水電解 / 電極触媒 / セラミックナノ粒子 / 貴金属ナノ粒子 / 固体高分子形燃料電池 / アニオン交換膜型水電解 / 酸化物 / ナノ粒子 / 電気化学反応 |
研究開始時の研究の概要 |
Pt触媒-酸化物担体界面の結晶配列の整合とPtの自己組織化を駆使したナノアーキテクトニクスを駆使した新規触媒設計スキームを提案する。貴金属ナノ粒子の電子状態を大幅に変えつつ電子輸送特性を向上させるなど学術的にも新規な知見を見出しつつ、物質輸送特性を向上させる多孔性を両立させ、主にガス拡散電極に展開させる。固体高分子形燃料電池&水電解への適用も検討しながら、性能に関する知見を材料設計にフォードバックし、世界最高レベルの触媒活性と耐久性を備えた革新的な電極触媒を開発する。
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研究実績の概要 |
本年度は新規Pt担持CeO2系触媒を開発し、燃料電池(PEFC)のアノードでの性能向上及び新規機能付与に成功した。PEFCのアノードでは過酸化水素の発生が生じやすく、膜を大きく劣化させる課題がある。この過酸化水素の発生を抑制させるためにはCe3+が必要でありながら、これまで安定してアノードに利用するものがなかった。これに対し、本研究では各種ドープのあるCeO2ナノ粒子を合成し、それにPtを担持することでCeO2との界面に多くのCe3+を生成させることに成功した。このCe3+により電子伝導性と過酸化水素の発生抑制効果が得られ、アノードとしての性能が確保されるメカニズムを明らかにした。過酸化水素発生量は市販Pt/CのⅠ/5程度まで抑制し、膜耐久も従来より2倍状向上することを確認した。 本年度は水電解触媒用の非白金触媒としてNiO系の酸素発生活性(OER)を従来より大幅に向上させた。これまではNiCoO系を注目していたが、本年度はNiFeO系に注力し、その内部を金属、最表面をアモルファスのNiFeO系にすることで、OERが大幅に向上した。単セルでの性能評価も進めたところ、1000時間以上の安定作動を確認した。これらの触媒の熱処理条件を検討したところ、比較的低温での熱処理にて、NiCoO系より大幅にOER活性が向上することを確認した。その際表面をRaman及びXAFSにて解析したところ、結晶性の低いNiFeOが多く存在する場合、OER活性が飛躍的に向上することを明らかにした。DFT計算にてその理由を検討したところ、OHの吸着解離課程が最表面の結晶性と大きく関与していることが分かり、この指針に基づき、次年度の新規触媒の検討を進めることにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PEFC用カソード触媒にて1つ、アニオン交換膜型水電解用触媒として新たに1つの触媒を創製すると共に、その触媒活性向上のメカニズム迄明らかにできたため。
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今後の研究の推進方策 |
PEFC用電極触媒については、その粒子系を小さくしつつ活性と耐久性の向上を図る。また、アニオン交換膜型水電解についてはカソード側の電極触媒の検討を進め、新たな触媒が開発されたのち、そのメカニズム解明を鋭意進める。
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