研究課題/領域番号 |
23K26775
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補助金の研究課題番号 |
23H02082 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 慎一 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 特任教授 (70534478)
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研究分担者 |
萩原 正規 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (40403000)
勝田 陽介 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (50632460)
八塚 研治 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50909893)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 機能性RNA / 核酸 / リボスイッチ / 核酸医薬 |
研究開始時の研究の概要 |
複雑な細胞機能の理解を深めるためには,タンパク質や核酸などの機能性生体高分子の 時空間的な機能発現を系統立てて研究することが重要だ.しかし,細胞自身が生産する生 体分子の機能制御やリアルタイム検出することは技術的に難しく,実用的な方法は少ない. 本研究では,独自の核酸設計ノウハウを駆使して考案した「RNA構造制御法」を活用し て,哺乳動物生細胞内でRNA機能を操り,細胞機能の制御や解析が可能な技術基盤を創出 し,その技術を核酸創薬への応用展開を目指す.具体的には次の2つの課題を提案する. 課題1:miRNA の生細胞内機能発現に応答する RNA ツールの創出と応用 課題2:mRNA の高次構造を直接制御する革新的創薬技術基盤の確立
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研究実績の概要 |
【研究の目的と実施計画】 複雑な細胞機能の理解を深めるためには,タンパク質や核酸などの機能性生体高分子の時空間的な機能発現を系統立てて研究することが重要だ.しかし,細胞自身が生産する生体分子の機能制御やリアルタイム検出することは技術的に難しく,実用的な方法は少ない. 本研究では,独自の核酸設計ノウハウを駆使して考案した「RNA構造制御法」を活用して,哺乳動物生細胞内でRNA機能を操り,細胞機能の制御や解析が可能な技術基盤を創出し,その技術を核酸創薬への応用展開を目指す.具体的には次の2つの課題を提案する.課題1:miRNAの生細胞内機能発現に応答するRNAツールの創出と応用,課題2:mRNAの高次構造を直接制御する革新的創薬技術基盤の確立 【実績】 【課題1】 miRNAの生細胞内機能発現に応答するRNAツールの創出と応用.課題1の目標を達成に必須である,短鎖RNAに応答するSplit型IRESの構築し,その人工IRESが哺乳動物細胞内で機能することが確認できている.現在,国際的に評価の高い科学論文への報告を目指し,内在性RNAに応答するように設計したSplit型IRESの機能を評価中である. 【課題2】クアニン繰り返し配列 (GGG)供給型の環状化Staple核酸を設計し,G-quadruplex構造誘導能の評価を行った.その結果,期待通り,ヌクレアーゼによる高い分解耐性を持ちつつ,安定なG-quadruplex構造を誘導する環状化Staple核酸を得ることに成功している.2年目以降は,細胞内のmRNAを標的としたタンパク質発現阻害を試みる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 【現在までの進歩状況】 初年度は,提案した課題を順調に進め,期待通りの研究成果を残している. 具体的には,申請書に示した短鎖RNAに応答するSplit型IRESを構築し,その人工IRESが無細胞系発現システムを利用したIn vitroタンパク質発現を短鎖核酸の有無で精密に制御できることを確認した.また,その人工IRESが哺乳動物細胞内で機能することも確認できている.現在,国際的に評価の高い科学論文への報告を目指し,内在性RNAに応答するように設計したSplit型IRESの機能を評価中である.また,研究提案の一つである環状型Staple核酸のG-quadruplex構造形性能の評価も順調に終えており,科学論文への報告に向けた詰めの実験を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に行った実験により,論文投稿に十分なデータは蓄積された.しかし,この段階では論文作成を行わず,よりインパクトある国際的科学論文へ投稿を目指す.2年度目には,具体的に,内在性RNAに応答するように設計したSplit型IRESを設計・構築し,内在性RNAの細胞内濃度変化の観察を目指す.哺乳動物細胞内での内在性RNAの機能発現を解析できれば,極めてレベルの高い論文への掲載が期待できる.また,初年度にはタンパク質翻訳に影響を与えるRNA G-quadruplexを誘導可能な環状型Staple核酸のIn vitro評価も終えており,この環状型Staple核酸による哺乳動物細胞内の遺伝子制御を目指し,国際的科学論文への投稿へと繋げる.
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