研究課題/領域番号 |
23K26783
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補助金の研究課題番号 |
23H02090 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木越 英夫 筑波大学, 地中海・北アフリカ研究センター, 特命教授 (90169839)
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研究分担者 |
吉田 将人 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80511906)
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | アプリロニンA / アクチン / チューブリン / タンパク質間相互作用 / 抗腫瘍性 / 海洋天然物 / アプリロニン / サイトファイシン / 細胞毒性 / 合成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、市販の抗がん剤を上回る抗腫瘍性および腫瘍細胞増殖抑制活性を持つアプリロニンAに注目し、この新型の作用機序を解明するとともに、人工類縁体合成を通しての高活性化合物の発見、開発を目的とする。この化合物については、二大細胞骨格タンパク質であるアクチンとチューブリンの間の相互作用を誘導することにより抗腫瘍性を発現するという新型の作用機序の概観が明らかになってきており、この成果に対しては、新型作用機序に基づく抗がん剤開発などへの波及効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
アプリロニンAのプローブ化を見据えた新規の合成経路開拓を行った。 1.これまでの合成法では、三置換オレフィン構築における立体選択性に問題があったので、その解決を試みた。その結果、カルボスタニル化-ヨウ素化を利用して、立体選択的に三置換ヨードオレフィンを調製することができた。さらに、根岸反応を利用して、C16位より先のフラグメントとの連結の条件検討を行い、本戦略による全合成が可能であることを示した。 2.アプリロニンAの細胞毒性発現機構解明のための新型のプローブ分子(リンカーを側鎖部末端ではなく、マクロラクトン部に連結するもの)調製のための誘導体の合成研究を行い、アプリロニンAの基本骨格を持ち、リンカー接続のための官能基を備えた重要中間体の合成を行った。 3.類似の海洋天然物サイトファイシン類は、アクチン脱重合活性と共に強い細胞毒性を有するが、チューブリンとの結合に必須であるトリメチルセリン基を持たない。そこで、この分子においてのアクチンとチューブリンに対する作用を明らかにするために、その合成研究を行った。細胞毒性に関与していると考えられるマクロラクトン部のエポキシ基の作用を明らかにするために、エポキシ基を持つマクロラクトン部の合成を行い、すでに合成した側鎖部とともに細胞毒性を検定した。その結果、側鎖部はほどんと細胞毒性を示さなかったが、マクロラクトン部は弱いながら細胞毒性を示すことが明らかになった。このことから、サイトファイシンBの細胞毒性の作用機序は、アプリロニンAと異なることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
天然物の全合成の問題点を克服する合成経路を確立するとともに、誘導体の合成を完了し、活性評価を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
プローブ分子の合成を進め、特異な細胞毒性発現機構を解明する。
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