研究課題/領域番号 |
23K26811
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補助金の研究課題番号 |
23H02118 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
豊福 雅典 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30644827)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | メンブレンベシクル / バクテリア / 細胞間相互作用 / 細菌間相互作用 / 分泌 / 細菌 / 物質輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌が放出するMVはその生産菌と受け手との間に”相性”があることが分かっている。MVの機能性の理解には、この相性を解明し、どのような細胞にどれほどMVが届くのかを理解する必要がある。申請者らは、これまでに、MVを介して細胞間シグナル伝達が行われる現象を見出した。興味深いことに、ある種の細菌が産生するMVは他の属の細菌には付着性が低く、同属の細菌に特異的に輸送され、シグナルを受け渡すことを明らかにした。しかしながら、そのメカニズムは未解明のままである。そこで、本研究では、「MVがどのようにして細胞特異的に伝達されるのか」を明らかにすることを目的とし、MVの機能性の理解に繋げることにした。
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研究実績の概要 |
ほとんどの細菌は、細胞外に数十から数百nmの膜小胞(メンブレンベシクル:MV)を放出することが明らかになっている。MVの様々な潜在的な機能が明らかになっているが、MVの機能が発揮される度合い、すなわち「機能性」の理解は進んでいない。その理解には、MVの積荷輸送プロセスの解明が必須である。研究代表者は、これまでに、MVが特定の細菌群にのみ付着し、作用する、「細胞特異性」を有することを見出した。 本研究では、MVが細胞特異的に働くメカニズムについて、その詳細なプロセスと分子基盤の理解を目指すことで、MVの機能性の理解に繋げることにした。MVによる細胞特異的な物質輸送の解明は、MVの機能性の真の理解に貢献し、MVを利用するための新たな糸口を提供することが期待される。 2023年度は、MVの細胞特異的な受け渡しに関わる遺伝子を網羅的にスクリーニングするための基盤解析技術を構築した。そのために、MVを受け取った細胞に選択圧がかかるような物質をMVに封入する技術を構築した。その条件検討を行い、スクリーニングを行うのに、最適な条件を検討した。その条件検討をもとにして、スクリーニングを行った。スクリーニングのために、Tnミュータントライブラリーも構築した。スクリーニングの結果、MVの受け渡しを促進する因子および抑制する因子の候補が得られた。 来年度以降も、引き続きスクリーニングを行い、候補遺伝子を選抜していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MVの細胞特異的な受け渡しを解析するための、基盤技術を構築した。これによって、変異株ライブラリーを活用したスクリーニングが可能となった。すでにスクリーニングを開始しており、いくつかの候補遺伝子を選抜できている。現在でもスループット性は高いが、今後さらなる改良も見込んでおり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きスクリーニングを行い、MVの細胞特異性に関係する遺伝子を同定していく。スクリーニングによって選抜した遺伝子に関しては、遺伝子破壊株の作製を通して、表現型を解析し、MVの細胞特異的な受け渡し機構の解明に繋げる。
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