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冬眠動物に学ぶ低温耐性の医療応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K26830
補助金の研究課題番号 23H02137 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分38030:応用生物化学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

山口 裕嗣  名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (10542970)

研究分担者 椎名 貴彦  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90362178)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
キーワード低温 / 冬眠 / 細胞死 / スクリーニング / 低温耐性 / 活性酸素 / 代謝
研究開始時の研究の概要

冬眠動物は、冬眠に入って体温を下げることでエネルギー消費を節約し、過酷な冬を生き延びる。冬眠しない動物を強制的に低体温にすると多臓器の細胞の機能不全により死に至るが、冬眠中の動物は低体温によって細胞や臓器に致命的な損傷を受けることなく、春には体温を元に戻して活動を再開する。申請者はこれまでに、非冬眠動物であるマウスの細胞に低温耐性を付与できる遺伝子CRG1(Cold Resistance Gene-1)を発見している。本研究では、CRG遺伝子ファミリーの機能解析を通じて、冬眠動物がもつ低温耐性の分子機構の詳細を明らかし、さらにそのメカニズムのヒト血小板の低温保存への応用を目指す。

研究実績の概要

冬眠動物は、冬眠に入って体温を下げることでエネルギー消費を節約し、過酷な冬を生き延びる。ヒトやマウスなどの冬眠しない動物を強制的に10℃以下の低体温にすると多臓器の細胞の機能不全により死に至るが、冬眠中の動物は低体温によって細胞や臓器に致命的な損傷を受けることなく、春には体温を元に戻して活動を再開する。この冬眠動物による「安全な低体温」を医療に応用すれば、救急医療や移植臓器の保存法などに革命的な進展を促す可能性があるが、その分子メカニズムはほとんど分かっていない。申請者はこれまでの予備実験により、非冬眠動物であるマウスの細胞に低温耐性を付与できる遺伝子CRG1(Cold Resistance Gene-1)を発見した。本研究では、CRG遺伝子ファミリーの機能解析、低温耐性細胞のタイムラプスイメージング、またCRG1過剰発現マウスやCRG1ノックアウト冬眠動物の表現型解析を通じて、冬眠動物がもつ低温耐性の分子メカニズムの詳細を明らかし、さらにそのメカニズムのヒト血小板の低温保存への応用を目指す。今年度は、CRG遺伝子ファミリーの機能解析を行い、各ファミリーメンバー分子の低温耐性への寄与を検討した。また、CRG1過剰発現マウスの確立を試みた。
一方、血小板は劣化しやすく、長期間機能を保持した状態で保存するのは容易ではない。血小板製剤の保存方法については、現在多くの国において室温(20-24℃)での振盪保存が採用されている。血小板製剤が、細菌繁殖のリスクの低い低温保存(4℃)ではなく、室温で保存されている理由は、血小板は低温で保存されると膜脂質が変質し、活性化が進んで非可逆的形態変化を起こすことで、輸血された後の生体内での寿命が短くなるとともに止血効果が低下するためである。そこで、本研究ではCRG1が合成する脂質を保存液中に加えることで、ヒト血小板の機能を長期間保持したまま低温保存することができるようになるか検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

冬眠動物は、冬眠に入って体温を下げることでエネルギー消費を節約し、過酷な冬を生き延びる。ヒトやマウスなどの冬眠しない動物を強制的に10℃以下の低体温にすると多臓器の細胞の機能不全により死に至るが、冬眠中の動物は低体温によって細胞や臓器に致命的な損傷を受けることなく、春には体温を元に戻して活動を再開する。この冬眠動物による「安全な低体温」を医療に応用すれば、救急医療や移植臓器の保存法などに革命的な進展を促す可能性があるが、その分子メカニズムはほとんど分かっていない。申請者はこれまでの予備実験により、非冬眠動物であるマウスの細胞に低温耐性を付与できる遺伝子CRG1(Cold Resistance Gene-1)を発見した。本研究では、CRG遺伝子ファミリーの機能解析、低温耐性細胞のタイムラプスイメージング、またCRG1過剰発現マウスやCRG1ノックアウト冬眠動物の表現型解析を通じて、冬眠動物がもつ低温耐性の分子メカニズムの詳細を明らかし、さらにそのメカニズムのヒト血小板の低温保存への応用を目指す。今年度は、CRG遺伝子ファミリーの機能解析を行い、各ファミリーメンバー分子の低温耐性への寄与を検討した。また、CRG1過剰発現マウスの確立を試みたが、まだ確立に至っていない。CRG1遺伝子の過剰発現はマウスの初期発生に影響を与えるためと考えられる。

今後の研究の推進方策

冬眠動物は、冬眠に入って体温を下げることでエネルギー消費を節約し、過酷な冬を生き延びる。ヒトやマウスなどの冬眠しない動物を強制的に10℃以下の低体温にすると多臓器の細胞の機能不全により死に至るが、冬眠中の動物は低体温によって細胞や臓器に致命的な損傷を受けることなく、春には体温を元に戻して活動を再開する。この冬眠動物による「安全な低体温」を医療に応用すれば、救急医療や移植臓器の保存法などに革命的な進展を促す可能性があるが、その分子メカニズムはほとんど分かっていない。申請者はこれまでの予備実験により、非冬眠動物であるマウスの細胞に低温耐性を付与できる遺伝子CRG1(Cold Resistance Gene-1)を発見した。本研究では、CRG遺伝子ファミリーの機能解析、低温耐性細胞のタイムラプスイメージング、またCRG1過剰発現マウスやCRG1ノックアウト冬眠動物の表現型解析を通じて、冬眠動物がもつ低温耐性の分子メカニズムの詳細を明らかし、さらにそのメカニズムのヒト血小板の低温保存への応用を目指す。今後は、低温耐性細胞のタイムラプスイメージングの実験系の確立を目指すとともに、CRG1ノックアウト冬眠動物の作製を行う。また、CRG1過剰発現マウスの確立に関しては、アダルトになってから発現を誘導可能なマウスの作製を試みる。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Dorsomedial and preoptic hypothalamic circuits control torpor2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Yamaguchi, Keith R. Murphy, Noriaki Fukatsu, Kazuhide Sato, Akihiro Yamanaka, Luis de Lecea
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 33 号: 24 ページ: 5381-5389

    • DOI

      10.1016/j.cub.2023.10.076

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 透明脳スクリーニングを用いたマウス日内休眠を制御する神経回路の同定2023

    • 著者名/発表者名
      山口裕嗣
    • 学会等名
      第101回 日本生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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