研究課題/領域番号 |
23K26839
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補助金の研究課題番号 |
23H02146 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 まり 東北大学, 農学研究科, 教授 (50192430)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | テトロドトキシン / サキシトキシン / 生合成 / 動態 |
研究開始時の研究の概要 |
フグ毒テトロドトキシン(TTX)と麻痺性貝毒サキシトキシン(STX)類は、代表的食中毒原因物質である。これまで多くのTTX類縁体を単離し、生合成経路を提唱した。本研究では、TTXの生物間動態や生合成の解明を目指し、新規TTX類縁体を単離・構造決定や、TTX含有生物中の類縁体の同定、探索を行う。また、STX生合成では、推定三環形成前駆体や酸化度の低いSTX類縁体を化学合成し、麻痺性貝毒生産生物中の存在や、酵素反応の基質になり得るかを調べ、生合成経路のさらなる解明を目指す。
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研究実績の概要 |
テトロドトキシン(TTX)について:TTXの生合成に関する情報を得るため、TTX類縁体や関連化合物の化学構造を比較することを目的に、各種TTX含有生物より高分解能LCMSを用いて、新規TTX関連化合物を探索した。その結果、フグ中より2種のTTX新規類縁体を見出したので、各種分離用のカラムやレジンを用いて、それらの化合物を単離できた。また、川津らが報告した抗TTXモノクローナル抗体は、TTXの生物間動態の解明に有効な抗体であると考えられる。そのため、ELISAによって、単離した5,6,11-trideoxyTTX, 11-norTTX-6(S)-ol, 11-oxoTTXに対する交差反応性を明らかにし、特異性を評価した。その結果、反応性はTTXを100%とした場合、5,6,11-trideoxyTTX (<2.2%), 11-norTTX-6(S)-ol (<0.3%), 11-oxoTTX (<1.5%)であり、TTXに対する特異性が高いことを確認した。サキシトキシン(STX)について:STXの生合成経路において、酸化の順番に注目し、三環形成後に酸化する経路を推定した。その証明のため、酸化前の三環化合物および関連化合物の12, 12-dideoxy-decarbamoyloxySTX (dd-doSTX), 12beta-deoxy-doSTX, doSTXの三種を、研究協力者の東京農工大学長澤和夫教授の協力により化学合成した。これらの化合物を標品として、有毒藍藻や数種の有毒渦鞭毛藻類に存在するのかどうか探索し、高分解能LC-MS/MSにより、保持時間やMS/MSのパターンが一致するピークをそれぞれ見出し、これらの化合物が存在することを証明した。そのため、これらの化合物が生合成中間体であると考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テトロドトキシンでは2種の新規類縁体を発見し、単離することができた。また、川津らの抗体モノクローナル抗体に対する3種の類縁体の反応性が低いことを示し、本抗体がTTXに対する特異性が高いことを証明できた。また、サキシトキシンの生合成研究では、酸化反応の順番に注目して、酸化前の三環関連化合物(デカルバモイロキシSTX類)を3化合物、化学合成し、麻痺性貝毒生産微細藻類中より同定できたため、順調に進展したと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
[1] フグより単離した新規TTX類縁体については、さらに化学構造や平衡反応を確認し、その構造や平衡反応に基づき、これまで推定してきたTTX生合成経路における、これらの化合物の位置付けを考察する。 [2]二枚貝におけるTTXの起源や蓄積について考察するため、微量に存在する二枚貝中のTTX類縁体を探索し、同定する。 [3] 麻痺性貝毒類やSTXの生合成については、酸化前の三環化合物(デカルバモイロキシSTX類)を合成し、麻痺性貝毒生産生物から同定できているので、これらのデカルバモイロキシSTX類が、藍藻より報告されたSTX生合成酵素によって酸化されるのかどうかを確認する。そのため、酵素の異種発現、基質のさらなる調製、および酵素反応を行う。
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