研究課題
基盤研究(B)
食中毒シガテラは、熱帯・亜熱帯の魚類摂取により発生する世界最大規模の自然毒食中毒である。カリブ海型シガトキシンは、米国大西洋やカリブ海域におけるシガテラの主要原因毒であり、既知のシガトキシン類の中で最も複雑な構造を有する。近年、カリブ海型シガトキシンによる食中毒がヨーロッパでも発生しており、その予防対策は急務の課題である。しかし、天然試料が入手困難なため、その化学・生物学研究は立ち遅れている。本研究では、カリブ海型シガトキシンの効率的全合成による純粋な標準試料の供給、抗体作製と微量検出法・治療法の開発を目的とし、世界規模で大きな脅威であるシガテラ中毒の撲滅に貢献する。