研究課題/領域番号 |
23K26844
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補助金の研究課題番号 |
23H02151 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
林 謙一郎 岡山理科大学, 生命科学部, 教授 (30289136)
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研究分担者 |
笠原 博幸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00342767)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2026年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | オーキシン / 植物ホルモン / ホメオスタシス / オルガネラ / 不活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
植物ホルモンであるオーキシンは胚発生,花芽形成,側根形成,頂芽優勢,光・重力屈性など,植物の分化・成長のあらゆる局面に関与する。このオーキシンの細胞濃度調節には、オーキシンの不活性化経路が重要な役割を担っている。細胞内のオルガネラで,このオーキシン不活性化経路がどの様に,いつ働くのか?本研究ではオーキシンの不活性化経路を軸にして,オーキシン濃度の調節機構を時空間的に解析し,その全貌解明に迫る。
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研究実績の概要 |
植物はオーキシン濃度を制御することで,オーキシン応答性遺伝子群の転写調節を介して環境応答や形態形成を調節する。そのオーキシン濃度の制御機構の解明は,植物学のきわめて重要な課題の一つである。植物ホルモンであるオーキシン(Indole 3-acetic acid: IAA)の濃度勾配は,細胞間の極性輸送により形成される。この濃度分布に応じて,根や茎葉におけるオーキシン応答が制御される。これまで極性輸送による組織レベルのIAA分布は詳細に研究されてきたが,細胞内のIAA動態は不明であった。IAAやその代謝物は受動拡散しないことから,細胞質とオルガネラ(小胞体・色素体・液胞)における生合成酵素・代謝不活性化酵素の局在やオルガネラ輸送が,細胞内IAA動態に重要な役割を担うと考えられるが,その分子機構は不明である。本研究では,「オーキシンの細胞内動態を探り,その動態解析から細胞内ホルモンアトラス」を作製し,オーキシンホメオスタシスの制御システムの解明を最終的な目的とする。 IAAは細胞質とオルガネラに何らかの仕組みで分配され,細胞質からのIAAの排出量と,オルガネラへの蓄積量・不活性化量(細胞内IAA濃度)の調節によって,オーキシンホメオスタシスが維持されるとの仮説に基づいて,まず,オーキシン代謝酵素や輸送体の細胞内のIAA動態に対する寄与を明らかとした。その結果,オーキシン代謝物が小胞体において,一時的な貯蔵体として輸送,蓄積されること結果が得られた。また,オーキシン貯蔵体に高感受性となる輸送体遺伝子候補を同定できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オーキシン貯蔵体の代謝酵素をオルガネラ特異的に局在させて代謝物プロファイルを測定した予備実験の結果から,植物ホルモンであるオーキシンは,液胞や小胞体に貯蔵体や不活性化体として輸送されるという本研究の提案時に想定していた仮説を支持する実験結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
オルガネラ特異的にオーキシン貯蔵体を蓄積する機構が存在するという結果が得られた。この実験結果の定量的な解析や,細胞質-オルガネラ間のオーキシン貯蔵体の輸送を担う輸送体や,オーキシン貯蔵体の分解によるオーキシン濃度の調節機構の解明を目指す。
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