• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

生体内変換型ビタミンKによる抗老化作用とその作用機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K26847
補助金の研究課題番号 23H02154 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

白川 仁  東北大学, 農学研究科, 教授 (40206280)

研究分担者 大崎 雄介  東北大学, 農学研究科, 准教授 (40509212)
Afifah Zahra・Agista  東北大学, 農学研究科, 助教 (00961872)
何 欣蓉  北海道大学, 保健科学研究院, 特任講師 (50815561)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
キーワードビタミンK / 老化 / 健康寿命
研究開始時の研究の概要

天然に存在するビタミンKは、フィロキノン(VK1)とメナキノン類(VK2, MK-n)に大別されるが、高等動物では摂取されたビタミンKの一部が、VK2のひとつであるMK-4へと特異的に変換される。しかし、MK-4の役割、特にMK-4が多量に含まれる大脳、筋肉、腎臓での機能については、ほとんど解明がなされていない。本研究では、我々が見出したMK-4の新しい作用(NFκB活性化抑制、PKA経路活性化)が、老化に伴う認知や運動機能の低下に対して抑制的に作用する機序の解析を通じて、脳、筋肉、腎臓でのビタミンKの生体内変換の意義と加齢に伴う疾病に対してビタミンKがもつ寿命を延伸させる効果を示す。

研究実績の概要

ビタミンK(VK)は、プロトロンビンをはじめとした血液凝固因子やオステオカルシンなどの骨タンパク質の活性化(翻訳後修飾)を行うγ-グルタミルカルボキシラーゼの補因子として働き、血液凝固系や骨代謝と密接に関わっている。食事由来のVKは緑色野菜(VK1)や発酵食品、肉類、鶏卵(VK2)などである。摂取されたVKは肝臓や骨のほか、膵臓、脳、腎臓、生殖腺、筋肉などにも分布するが、肝、骨以外の組織での役割は十分に明らかとなっていない。本研究は、大脳、筋肉、腎臓おけるVK、特にVK2のひとつであるメナキノン-4(MK-4)の作用を明らかにして、加齢に伴う疾病に対して本ビタミンが持つ寿命延伸効果を示すことを目的とした。まず、認知症モデルマウス(家族性アルツハイマー病患者の変異型アミロイドβ遺伝子をノックインしたマウス)にコントロール食、VK1およびメナキノン-4添加食を与え、6ヵ月間飼育した。飼育期間中に、Y字迷路試験、受動回避行動試験、水迷路試験を行った。飼育が終了した動物の一部に、VKの摂取状況の違いによる行動変化がみられ、認知能低下への改善効果の可能性が示唆された。また、海馬由来細胞HT-22、筋芽細胞C2C12、腎由来HK2細胞に酸化ストレスを誘導した際の細胞の生存率やミトコンドリア活性に与える影響を解析したところ、メナキノン-4の添加により細胞死の抑制やATP産生の回復が観察された。還元酵素FSP1の阻害剤によってメナキノン-4の効果は消失したことから、還元型のVKが本活性を示すと推定された。さらに、通常マウスにVK欠乏食を給餌し、腸内マイクロバイオームを解析したところ変化がみられ、菌相の違いによる脳機能への影響が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

認知症モデルを用いた脳機能へ与える影響の解析は、全体の3分の2の動物飼育と行動試験の飼育が終了した。現在、残りの飼育、試験を継続している。また、細胞試験においては、酸化ストレス誘導条件、VKの添加量と培養時間などの培養条件が決まった。VKの摂取量の違いによる腸内マイクロバイオームの変化を検出することができた。

今後の研究の推進方策

認知症モデル動物試験については、得られた臓器サンプルを用いて脳の組織像の解析、認知関連遺伝子の発現解析を行う。培養細胞を用いた酸化ストレス誘導の細胞死抑制の機構については、関連する因子に対する阻害剤やRNA干渉などによって解析を進める。さらに、腸内マイクロバイオームの変化についてさらに詳細に解析を進め、脳腸相関を明確にする。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] ビタミンKとビタミンK関連物質による抗炎症作用とその機序2024

    • 著者名/発表者名
      大崎 雄介, 白川 仁
    • 雑誌名

      日本栄養・食糧学会誌

      巻: 77 号: 2 ページ: 103-108

    • DOI

      10.4327/jsnfs.77.103

    • ISSN
      0287-3516, 1883-2849
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウス海馬由来神経細胞 HT-22 の酸化ストレス障害に対する食品由来成分の保護効果2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤雅、菊地寿茂、塩沢浩太、Afifah Zahra Agista、掛川明希、大西圭悟、大崎雄介、野地智法、北澤春樹、白川仁
    • 学会等名
      日本ビタミン学会第75回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ビタミンK給餌が加齢性腺機能低下症モデルのテストステロン産生に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      23)伊藤暉、前川正充、大崎雄介、白川仁
    • 学会等名
      日本ビタミン学会第75回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Role of dietary vitamin K on bile acid metabolism in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Tohfa Kabir, Nishikido Michiya, Maekawa Masamitsu, Ohsaki Yusuke, Shirakawa Hitoshi
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Novel functions of vitamin K and biotin to extend healthy life expectancy.2023

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Shirakawa
    • 学会等名
      National Seminar and Congress ISFFN 2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Novel functions of vitamins for the health promotion.2023

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Shirakawa
    • 学会等名
      The Symposium for Pharmaceutical Sciences between Tohoku University and National Yang Ming Chiao Tung University
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi