研究課題/領域番号 |
23K26868
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補助金の研究課題番号 |
23H02175 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
船戸 耕一 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (30379854)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 脂質ドメイン / セラミド / 非小胞輸送 / 膜接触領域 / 脂肪滴 / アシルセラミド / 小胞体 / ゴルジ体 / 酵母 |
研究開始時の研究の概要 |
オルガネラの形成には脂質が過不足なく供給されなければならず、オルガネラ間の脂質分子の輸送システムは基本的な生命現象を支えるものとして極めて重要である。セラミドはCOPII小胞を介した小胞輸送と輸送小胞を介さない非小胞輸送の2つの並行した経路によって小胞体からゴルジ体へ運ばれる。しかし、セラミドが小胞体から直接ゴルジ体へ運ばれるのか、他のオルガネラを介してあるいはセラミド代謝物の形で運ばれるのかは不明である。本研究では、申請者が最近見出したセラミドの非小胞輸送に関与するトリカルビンの欠損株でアシルセラミドの量と脂肪滴が増加する知見に着目し、セラミドの非小胞輸送機構の全容と存在意義を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究目的を達成するために、初年度は先ず、脂肪滴の形成に関与する遺伝子と小胞輸送をブロックするsec変異との多重変異株を作製し、脂肪滴の形成が小胞輸送非依存的なセラミド輸送に関与しているか解析した。セラミドはゴルジ体へ運ばれるとイノシトールリン酸セラミド(IPC)合成酵素によってIPCへ変換される。脂肪滴がセラミドの非小胞輸送に関与するなら、sec変異単独株より強いIPC合成の低下が多重変異株で観察されるはずである。そこで、放射能標識したイノシトールを用いてIPCの合成量を解析したところ、多重変異株で著しい低下が観察されたことから、脂肪滴がセラミドの非小胞輸送に関与することが示唆された。また、申請者は以前にセラミドの非小胞輸送に関与する小胞体常在タンパク質トリカルビンが小胞体とゴルジ体の接触領域に輝点として局在することを明らかにしたので、本研究では輝点の数における脂肪滴の役割を調べた。その結果、トリカルビンの輝点の数は脂肪滴の形成に依存することが分かり、トリカルビンの接触領域へ局在は脂肪滴によって調節されている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究実施計画で提案していた課題、1) セラミドの非小胞輸送における脂肪適の関与の有無、2) セラミドの非小胞輸送に関与するトリガルビンの局在解析について、いずれも予定通り解析を実施することが出来た。従って、当初の計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
トリカルビンの他に、酵母のNvj2はセラミドの非小胞輸送に関与することが知られている。そこで、次年度はNvj2がトリカルビンと共局在するかどうか調べる。また、我々はトリカルビンが小胞体、ゴルジ体と脂肪滴の3つのオルガネラが近接している領域に局在していることを見出している。従って、Nvj2が脂肪滴に局在するかどうかも調べる。さらに、Nvj2の局在をトリカルビンが調節しているかについて解析する。
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