研究課題/領域番号 |
23K26876
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補助金の研究課題番号 |
23H02183 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石川 亮 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (70467687)
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研究分担者 |
齊藤 大樹 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 熱帯・島嶼研究拠点, 主任研究員 (10536238)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | イネ / 栽培化 / 種子脱粒性 / 栽培イネ / 野生イネ / 脱粒性 |
研究開始時の研究の概要 |
イネは栽培化過程において種子脱粒性が抑制され収量が向上した。日本・世界各地で栽培 されるイネの種子脱粒程度には品種間差異が見られ、量的形質であることが知られているが、その遺伝基盤の全体像は解明されていない。本課題では、これまでに同定された複数の新規脱粒性遺伝子座の原因変異を同定し、それらの役割と作用を解明する。そして、各遺伝子座の変異を識別するDNAマーカーを開発することで、脱粒性程度の改変を通じて育種に貢献するシステムを構築する。
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研究実績の概要 |
イネは栽培化過程において種子脱粒性が抑制され収量が向上した。日本・世界各地で栽培 されるイネの種子脱粒程度には品種間差異が見られ、量的形質であることが知られているが、その遺伝基盤の全体像は解明されていない。本課題では、これまでに同定された複数の新規脱粒性遺伝子座の原因変異を同定し、それらの役割と作用を解明する。そして、各遺伝子座の変異を 識別するDNAマーカーを開発することで、脱粒性程度の改変を通じて育種に貢献するシステムを構築することを目標に研究を進めた。 本年度はジャポニカ栽培イネ日本晴の種子の非脱粒性に関わるqCSS3遺伝子座の候補領域について、組換え系統を用いた連鎖解析によって2つのDNAマーカーに限定された約500kbの領域が同定された。また、インディカ栽培イネIR36の種子の非脱粒性に関与するqCSS2とqCSS7の作用について、電子顕微鏡を用いて評価する実験系の構築に着手した。さらにAUSタイプの栽培イネカサラスの非脱粒性に関わる3つの遺伝子座について、それぞれの効果を遺伝学的に検証し、種子脱粒程度に関与することを確認した。陸稲在来品種を用いた新たな種子の非脱粒性を支配する遺伝子座の推定も進み、ジャポニカ栽培イネ日本晴と同様にqCSS3遺伝子座に加え、新規の遺伝子座が関与している可能性が得られた。これら候補領域に連鎖するDNAマーカーが設定できたが、候補領域がまだ広範に及ぶことからさらなる連鎖解析によって、脱粒性形質と密接に連鎖するDNAマーカーを開発する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した研究内容のうち、インディカ栽培イネIR36の非脱粒性に関わるqCSS2とqCSS7の遺伝的効果の検証は測定値の有意差が出にくいことから離層形態の解剖観察による評価を検討している。一方で、qCSS3遺伝子座の候補領域は新たな組換え体の獲得によって限定が進んだ。さらに陸稲在来品種を用いた種子の非脱粒性遺伝子座の検出に成功したことから研究は順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は設定した5課題について継続して研究を進める。課題1 ジャポニカ栽培イネに特異的な遺伝子座qCSS3 の単離:qCSS3遺伝子座の候補領域において組換を生じた新たな系統を用いて、それらの詳細な組換位置を調査し、後代検定を進める候補領域を限定する。課題2 インディカ栽培イネに特異的な遺伝子座 qCSS2 とqCSS7の単離:電子顕微鏡を用いて離層構造についても解析を進める。課題3 AUS栽培イネに特異的な遺伝子座の同定:候補領域の限定が進んだ遺伝座を優先して高密度連鎖解析を進める。課題4 陸稲(熱帯ジャポニカ)に潜む新規脱粒性遺伝子座の探索:同定されたqCSS3遺伝子座付近の効果の検証、並びに新規遺伝子座効果の検証を後代検定で進める。さらに研究分担者の協力を得て密接に連鎖するDNAマーカーの開発を進める。
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