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高速フィールドフェノタイピング手法による土壌乾湿対応型ダイズ生育モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K26892
補助金の研究課題番号 23H02199 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分39020:作物生産科学関連
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

熊谷 悦史  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 主任研究員 (80583442)

研究分担者 屋比久 貴之  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 研究員 (20824270)
野見山 綾介  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 研究員 (60779750)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
キーワードハイスループットフェノタイピング / リモートセンシング / 生育モデル / 土壌乾燥害 / 湿害 / 土壌水分 / 機械学習 / ダイズ生育モデル / 乾湿害
研究開始時の研究の概要

日本特有の水田転換畑での土壌の過湿や乾燥はダイズの低収要因である。ダイズ生育モデルは、収量への土壌乾湿の影響を定量化するのに有効なツールである。しかし、生理プロセスの土壌水分応答に関するデータ取得には多大な時間と労力を有するため、土壌乾湿を考慮できる生育モデルの開発には至っていない。本研究では、まず、スペクトル反射率の機械学習による高速フィールドフェノタイピング手法を開発し、土壌乾湿条件下での生理プロセスの速度変数の効率的なデータ取得を行う。次に、取得データから生理プロセスの土壌水分応答を定式化し、既存の生育モデルを改良する。最後に、改良したモデルを使い、国内の複数地点で乾湿害を定量化する。

研究実績の概要

本研究では、まず、スペクトル反射率の機械学習によるフィールドフェノタイピング手法を開発し、土壌乾湿条件下での生理プロセスの速度変数の効率的なデータ取得を行う。次に、取得データから生理プロセスの土壌水分応答を定式化し、既存の生育モデルを改良する。最後に、改良した生育モデルを使い、国内の複数地点で乾湿害を定量化する。
本年度は、農研機構の農業環境研究部門、東北農業研究センター、九州沖縄農業研究センターの3地点の圃場にて、灌水装置や雨除けハウスを組み合わせて、過湿から乾燥に至る多様な土壌水分条件を創出し、各地の標準品種と根粒非着生系統を栽培した。複数の生育時期において、葉面積指数(LAI)と地上部重(AGB)を取得した。同時に、携帯型分光放射計により、群落の可視・近赤外領域の301波長バンドのハイパースペクトル反射率を取得した。栽培期間中に、圃場の土壌体積含水率を観測した。農業環境研究部門では、湛水処理や雨除けによるLAIやAGBの減少を観察した。東北農業研究センターでは、常時灌水によるLAIやAGBの減少を観察した。九州沖縄農業研究センターでは、灌水によるLAIやAGBの効果は認められなかった。これらの多様な土壌水分条件で取得したデータセットに加えて、過去に多様な品種で取得したデータセットを合わせるとn=352点になった。取得したデータセットをモデル構築データ(n=237)と検証データ(n=119)に分割し、構築データを使い、複数の機械学習アルゴリズムにより、301波長バンドの反射率を説明変数とし、AGBおよびLAIを目的変数とする多変量回帰式を作成した。検証データを使い、各回帰式の予測精度を比較したところ、AGBおよびLAIでの決定係数は0.68以上および0.77以上となり、良好な精度を示すことが分かり、フィールドフェノタイピング手法のプロトタイプを作成することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

農研機構の農業環境研究部門、東北農業研究センター、九州沖縄農業研究センターの3地点において、灌水や雨除けの組み合わせにより、過湿から乾燥に至る多様な土壌水分条件の創出を試みたが、気象や圃場条件に依存し想定した条件を創出できないケースがあった。この原因を明らかにし、次年度の試験設計に反映する必要がある。可視・近赤外領域の301波長バンドのハイパースペクトル反射率を用いた機械学習モデルにより、地上部重量と葉面積指数のフィールドフェノタイピング手法のプロトタイプを作成することに成功した。さらに、多様な土壌水分条件下で、群落光合成速度や窒素集積量のデータも収集でき、次年度の手法開発のデータ基盤も構築できた。フィールドフェノタイピング手法開発に関しては、おおむね順調に進展していると判断する。今後は、異なる年次でのデータ収集を進め、開発した手法の精度検証を行うともに、変数選択の機械学習アルゴリズムを利用して、少数波長バンドの反射率による推定手法の開発にも着手する。

今後の研究の推進方策

過湿から乾燥に至る多様な土壌水分条件の創出を試みたが、気象や圃場条件に依存し、想定した条件を創出できないケースが見られた。過湿処理においては予想以上の降雨量が、乾燥処理では雨除けハウスの周囲からの水分浸透が原因であると考えられる。これを解決するために、次年度の研究では、農研機構の農業環境研究部門、東北農業研究センター、九州沖縄農業研究センターの各地点で、雨除けを設置した小規模なコンクリート枠圃場を利用し、土壌水分環境を完全に制御することで外部からの影響を最小限に抑える。さらに、すでに成功しているハイパースペクトル反射率を用いたフィールドフェノタイピング手法を新たに設計されたコンクリート枠圃場でも活用し、より詳細なデータを収集する。異なる年度や異なる気象条件下でのデータ収集を通じて、手法の汎用性と正確性を向上させる計画である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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