研究課題/領域番号 |
23K26901
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補助金の研究課題番号 |
23H02208 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
西尾 聡悟 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 上級研究員 (30507596)
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研究分担者 |
板井 章浩 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10252876)
池谷 祐幸 岡山理科大学, 生物地球学部, 教授 (10391468)
澤村 豊 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, グループ長補佐 (40355368)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2027年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ナシ / 遺伝資源 / 黒星病 / 抵抗性遺伝子 / コアコレクション / 黒星病抵抗性 / リンゴ |
研究開始時の研究の概要 |
ナシおよびリンゴを含むナシ亜連は、遺伝資源保存事業により日本国内に多様な遺伝資源が保存されている。しかしながら、外国品種や野生種は日本の栽培品種と比較して果実品質が劣るため、実質的に育種利用される遺伝資源は全体のわずか5%未満である。黒星病はナシの生産上最も深刻な病害であるが、国内で利用可能な抵抗性の素材は限られており、抵抗性遺伝子の崩壊への備えが極めて不十分である。本研究では効率的に新規の抵抗性遺伝子を獲得するために、ナシ亜連遺伝資源を分類し、コアコレクションを作製する。コアコレクションから複数の新規の抵抗性品種を耐病性検定により探索し、遺伝的解析により抵抗性遺伝子を同定する。
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研究実績の概要 |
農研機構のジーンバンク事業により保存されている約1000個体のナシ遺伝資源および約200個体のリンゴ遺伝資源について、MIG-seq法を用いてジェノタイピングを行った。ナシについては1017の個体から96の同一遺伝子型グループが同定され、849の異なる遺伝子型が得られた。同一遺伝子型のグループの多くは異名同品種と推定され、同一個体が異なる経路で導入されたことにより、重複が生じたことが示唆された。Admixtureにより、これらの849の遺伝子型を、セイヨウナシ品種、セイヨウナシ野生、ネパールナシ、ホクシマメナシ、イヌナシ、チュウゴクナシ品種、ニホンナシ在来品種、ニホンナシ育成品種、アオナシのグループに分類した。ナシは種の分類が非常に曖昧であり、これまで形態のみでは正しい分類ができなかったが、大規模遺伝資源を用いた本分類よりナシ遺伝資源を正しく再分類することができた。 分類された各グループからそれぞれ遺伝的構造を代表する個体を抽出し、およそ100個体のナシのコアコレクションを作製した。これらのコアコレクションを殺菌剤無散布圃場の樹に高接し、黒星病抵抗性(Venturia nashicola)の評価を行った。セイヨウナシ、ホクシマメナシ、イヌナシ、アオナシは黒星病抵抗性であり、被宿主の抵抗性を有する可能性が示唆された。その他の種およびグループについては、罹病性の個体が多かったが、一部抵抗性を有する個体が存在した。近年品種は黒星病の発病が極めて多く高度罹病性であったが、在来品種やチュウゴクナシ品種は罹病性個体でも近年品種よりは発病が少なく、品種によっては圃場抵抗性を有する可能性が示唆された。 従来より解析を進めていたセイヨウナシのラ・フランス由来の抵抗性遺伝子のBC3の集団については、抵抗性遺伝子を第2染色体にマッピングしDNAマーカーを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ナシ遺伝資源の遺伝的分類を行い、コアコレクションを作製した。無散布圃場に事前準備していた品種があったため、黒星病抵抗性の評価を前倒しで行うことができた。多数の抵抗性の遺伝資源が発見され、R6年度については新規抵抗性個体と罹病性品種の交配を行い、遺伝的解析のための集団を作製を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
ナシの遺伝資源の分類についてはデータを整理し、情報公開を進める。コアコレクションの黒星病抵抗性については、複数年複数場所の評価が必要であるため、農研機構の圃場と京都府立大学の圃場でR6年度とR7年度に行う。新規抵抗性の候補個体については、遺伝的な解析を行うための交雑集団を作成し、R7年度以降に遺伝的な解析に着手する。事前準備として、アンプリコンシーケンスにより既報の抵抗性遺伝子(Rvn1からRvn5)を有するか確認するとともに、全ゲノムシーケンスによりゲノム情報を取得する。計画より研究が進展しているため、予算の前倒し申請を行う予定である。
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