研究課題
基盤研究(B)
胚休眠(Embryonic diapause)とは、発生初期に胚の発育を停止させて妊娠期間を延長し、最適な時期に子を産むための生存戦略で、魚類を含めた脊椎動物の様々な分類群で稀に見られるマイナーな繁殖戦略であると考えられている。本研究では、板鰓類(サメ・エイ類)のホットスポットであることが判明した有明海を中心に瀬戸内海や東京湾等の複数の海域をフィールドとし、胚休眠が実は普遍的な繁殖戦略であり、生息環境に応じて胚休眠を変化させることで、種レベルにとどまらず群集レベルで出産時期の調節に関与すること、また、板鰓類の胚休眠があらゆる柔軟性をもって生物多様性創出に貢献していることの実証に挑む。