研究課題/領域番号 |
23K26932
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補助金の研究課題番号 |
23H02239 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
小区分39070:ランドスケープ科学関連
合同審査対象区分:小区分39060:生物資源保全学関連、小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
松林 誠 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (00321076)
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研究分担者 |
牛田 一成 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50183017)
土田 さやか 中部大学, 応用生物学部, 講師 (40734687)
倉持 幸司 東京理科大学, 創域理工学部生命生物科学科, 教授 (90408708)
畑生 俊光 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (60344917)
芝原 友幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, グループ長補佐 (00355207)
笹井 和美 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (70211935)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 二ホンライチョウ / 腸内環境 / 高山植物 / 原虫 / アイメリア / 寒冷地 / 寄生 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
日本アルプスに生息するニホンライチョウは個体数が激減している。各種保全活動が実施されているが、新たな課題に直面している。現行の対策以外に野生下のライチョウの生存を支持する要因が他にもあると考えた。これまでの基礎研究の中で、野生ライチョウは飼育下の個体とは全く異なる特異な腸内細菌叢を構築し、アイメリア原虫の感染に耐過し、さらに持続感染により防御免疫能を維持し、主食とする高山植物の特異な成分がこれら腸内微生物叢を支持している可能性を見出した。本研究はライチョウの氷河期以後の生存を可能とした野生型腸内環境を明らかにし、希少動物の新たな保全モダリティとしてその整備の必要性を科学的論拠をもって実証する。
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研究実績の概要 |
本年度は、ニホンライチョウの糞便から有用な候補細菌を選別すると共に、野生ライチョウから採取し、調整した乾燥粉末を動物園館で飼育する個体に与え、健康状態を観察した。また、ニホンライチョウに寄生するアイメリア原虫の病原性を、同種別亜種であるスバールバルライチョウを用いて解析した。その結果、高用量を投与した結果、軟便等の下痢や体重の増加が抑制され、一部のヒナで死亡が確認された。しかし、低用量の原虫を投与した場合、健康状態の悪化は見られず、さらに非投与の群よりも、増体率が良い可能性が示唆された。また、軽度に感染した個体は、その後、病態発現量を複数回摂取しても健康状態の悪化は見られず、生存する事が確認できた。また、スバールバルライチョウ以外のモデル動物の検索では、同じキジ目のシチメンチョウでライチョウ由来のアイメリアが感染することが確認できた。また、野生ニホンライチョウの高嗜好性の高山植物の粗抽出物約30種を被験化合物とし、鶏に寄生するアイメリア原虫に対し、化合物を添加して24時間培養し、致死効果を評価した。その結果、解析に供した植物由来、複数種の化合物で最大で約90%の殺虫効果が確認された。また、1種でMadin-Darby bovine kidney (MDBK)細胞への感染抑制効果が認められた。野生ニホンライチョウが好んで摂取する高山植物には抗原虫活性を有する化合物が含まれており、これがEimeria 属原虫の病態発現を低減している可能性が推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニホンライチョウに寄生するアイメリア原虫の病態および軽度感染による防御免疫を明らかにでき、有用細菌の単離も進んでおり、高嗜好性高山植物の成分分析、さらに含まれる化合物のアイメリアに対する殺虫効果も確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
感染モデルを用いたアイメリア原虫による感染への有用細菌の影響、およびin vitroそしてin vivoでの高山植物由来化合物の原虫に対する影響、野生下での感染伝播経路および感染動態の解明等を進め、高山植物の成分分析をさらに進める。餌資源および腸内環境整備に向け、生息域外での人工繁殖個体の野生復帰プロトコルを確立する。
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