研究課題
基盤研究(B)
近年,気候変動に伴い,日本近海において海水魚の近縁種間で大規模な自然交雑現象が起きている。本現象は,雑種第1世代(F1)の急激な増加や交雑および遺伝子流動の一方向性によって特徴づけられ,F1やそれ以降の雑種ゲノムを定量的に分析できる機会を提供している。これまで多くの分類群で,ゲノムに残された痕跡から,過去の交雑を介した種間の遺伝子流動(異種間浸透)が検出されているが,実際にどのような過程を経て異種間浸透が起きたのかはよく分かっていない。本研究は,いま,目の前で起きている交雑現象に着目し,生殖隔離のダイナミクスとその進化的意義を,雑種ゲノムの構造分析を通じて明らかにする。