研究課題
基盤研究(B)
森林の生物多様性の維持とその機能を最大化させる保全対策を確立するうえで、下層植生の生存戦略を理解することは非常に重要である。申請者らは、林床に生育する250種以上の植物について、柵状組織細胞の形状および葉緑体の細胞内配置を調べ、細胞形状が光環境に適応していることを発見した。すなわち、直射日光の届かない林床(微弱光環境)に生育する植物種の多くは、光を効率よく吸収できる逆円錐形の細胞形状を示すことを明らかにした。そこで本研究では、現在不明である柵状組織細胞の逆円錐化を司る因子を同定し、さらに、柵状組織細胞の逆円錐化という形質が植物の進化過程においてどのように選択されてきたのかを解明する。