| 研究課題/領域番号 |
23K26953
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| 補助金の研究課題番号 |
23H02260 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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| 研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
久保田 多余子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (70353670)
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| 研究分担者 |
香川 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353635)
壁谷 直記 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40353651)
高梨 聡 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90423011)
安田 幸生 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50353892)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2027年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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| キーワード | 年輪 / 炭素同位体比 / 水利用効率 / 蒸散量 / 髄 / 同位体比 / 酸素同位体比 / 水素同位体比 / 気候変動 |
| 研究開始時の研究の概要 |
東北から九州およびカンボジアとマレーシアにおける気象タワーフラックス観測サイトおよび長期理水試験地において、年輪コアを採取し年輪幅を測定するとともに炭素・酸素・水素安定同位体比を同時分析する。そして、単木の水利用効率と蒸散量を長期に復元する。これを気象タワーフラックスや長期水文データを元に森林生態系スケールに拡大し、東アジアにおけるCO2濃度上昇による森林生態系の長期蒸散量の変化を明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
大気中のCO2濃度が上昇すると、植物は光合成に必要なCO2を取り込みやすくなるため気孔を閉じる。この結果、気孔からCO2を取り込むと同時に失われていた水蒸気量(=蒸散量)が減少する。このため、葉当たりの水利用効率(=炭素固定量/蒸散量)が上昇する。しかし、CO2濃度の上昇や温暖化による葉量の増加や成長期間の長期化、土壌水分や養分の不足などの影響により、1枚の葉当たりの蒸散量の減少が森林生態系としての蒸散量にどの程度反映されるのか不明である。そこで、本研究ではまず、単木当たりの蒸散量を推定するため、樹木の年輪の炭素同位体比から水利用効率を計算できることを利用して、年輪から1年単位で水利用効率を長期に計算する。そして、年輪幅から年間の炭素固定量を推定することを試み、水利用効率と炭素固定量から蒸散量を推定することを試みる。これらを、森林生態系のスケールと考えられる、長期水文観測から得られる蒸発散量(=降水量―流出量)や気象タワーフラックス観測から得られる水利用効率(=GPP/蒸発散量)と比較する。当該年度は常陸太田試験地(茨城県)の樹齢約100年のスギと鹿北試験地(熊本県)の樹齢約75年のスギの年輪を採取し、1年輪ごとに水利用効率と蒸散量を計算した。この結果、常陸太田試験地の水文観測から得られる蒸発散量と年輪から推定した蒸散量は変動が良く一致した。一方、鹿北試験地の水文観測から得られる蒸発散量と年輪から推定した蒸散量は一致する期間としない期間が見られた。また、すでに炭素同位体比を分析済みの安比気象試験地(岩手県)のブナの年輪から推定した水利用効率と気象タワーフラックス観測から得られる水利用効率を比較した結果、両者の変動が良く一致した。このように、年輪から得られる単木当たりの水利用効率や蒸散量は森林生態系スケールのこれらの値と比較的良く一致するようであった。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は常陸太田試験地(茨城県)において、樹齢約100年のスギ9個体から、10cm厚程度の円盤(輪切りにした幹)を採取した。また、鹿北試験地(熊本県)において、樹齢約75年のスギ12個体から成長錐を使って年輪コアを採取した。円盤や年輪コアから、表皮から髄までの長さで、幅約1cm、厚さ1mmの薄片を作成した。これらから年輪の歪みや偽年輪が少ない試料を各試験地4個体ずつ選び、約8cmの長さに分割した後、年輪が崩れないようにテフロンパンチングシートに固定した状態でセルロースを抽出した。セルロースになった薄片を1年輪ごとに切り分け、超音波ホモジナイザーで解繊した後、200μgずつ秤量して銀カプセルに包んだ。1年輪当たり2つの試料を作成し、炭素同位体比を分析した。年輪の採取から同位体分析までに多くの工程があり、試料数が約1200サンプルと多かったが、計画通りに分析を終えることができた。また、計画通りに、水利用効率と蒸散量を計算して、水文観測や気象タワーフラックス観測の結果と比較することができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでの研究から流量観測のみ、あるいは気象タワーフラックス観測のみの試験地よりも両方を実施している試験地で当研究を実施する方が、より多くの知見を得られると考えらえれた。そこで、当初計画にはなかったが、水文観測と気象タワーフラックス観測の両方を実施している、筑波試験地(茨城県)においても年輪を採取し、同様の分析と解析を進める。また、当初より計画していたカンボジア王国における水文観測試験地においてチークの年輪を採取し、同様の分析と解析を進める。
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