研究課題/領域番号 |
23K26963
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補助金の研究課題番号 |
23H02270 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤澤 秀次 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80756453)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | ナノセルロース / 複合材料 / コンポジット / 樹脂 |
研究開始時の研究の概要 |
セルロースナノファイバー(CNF)は樹木由来の高強度繊維であり、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維に代わる持続可能な樹脂の補強材料として利用が期待できる。しかし、CNFと樹脂は水と油のように相反する性質を有するため、複合化した際、混ざりにくい(不均一な構造)、相互作用しにくい(脆弱な物性)という2つの課題があり依然として実用化が難しい。そこで本研究では、申請者が確立した水系での複合化手法およびCNF/樹脂界面の改質技術を用い、均一で強靭なCNF/樹脂複合材料の開発を行う。
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研究実績の概要 |
ナノセルロースは植物由来の高強度繊維であり、炭素繊維、ケブラー繊維やガラス繊維に代わる持続可能な樹脂補強材料として利用が期待されている。ナノセルロースの補強効果を樹脂中で発揮するためには、両者をナノレベルで均一に複合化する必要がある。本研究では、有機溶媒を用いずにナノセルロースと樹脂を均一複合化する材料加工技術の開発を行う。方法として、これまでに申請者が確立している完全水系プロセスを用い、均一なナノセルロース/樹脂複合材料の調製を行う。本年度は、最も高収率でナノセルロース/樹脂複合材料が得られる条件を見出した。まず、木材由来の漂白クラフトパルプに対してTEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル)触媒酸化を行い、機械処理によって、TEMPO酸化ナノセルロースを得た。このナノセルロース水分散液に重合開始剤を含むモノマーを添加し、エマルションを調製した。このエマルションを加熱することで、モノマーの重合を行った。これにより最終的にナノセルロースおよびポリマーが水中に懸濁したサンプルを得た。反応終了後はメンブレンフィルターによるろ過・洗浄により、ナノセルロース/樹脂複合体を回収した。得られた複合体を乾燥することで収率の計算を行った。収率に対する、①開始剤添加量、②反応温度および③反応時間の関係を調べ、最適な反応条件を得た。得られた複合体の熱成形によりナノセルロース/樹脂複合体を調製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノセルロース/ポリマー複合材料を高収率で調製できる条件を見出しており、計画通りに研究が行えている。さらに、熱成形によりナノセルロース/樹脂複合体を調製できており、概ね順調に研究が行えていると判断できる。上記のように、ナノセルロース/ポリマー複合化を環境調和性の高い水系プロセスで達成した点は特筆に値する。
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今後の研究の推進方策 |
CNFの表面化学修飾を行い、表面修飾CNF/樹脂複合材料を調製する。得られた複合材料の光学、力学、熱機械物性の評価を行い、表面修飾が物性に及ぼす影響を調べる。
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