研究課題/領域番号 |
23K26968
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補助金の研究課題番号 |
23H02275 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
青木 弾 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (80595702)
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研究分担者 |
福島 和彦 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80222256)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 13C NMR / リグニン / マイクロダイセクション / 微量分析 / 顕微分取 / クライオ / 定性分析 / 定量分析 / 13C / NMR |
研究開始時の研究の概要 |
細胞壁主成分のひとつであるリグニンは、組織・細胞・細胞壁内のスケールにおいて不均一な構造を有している。しかしながら現時点でリグニンの構造情報を最も網羅的に解析可能な13C-NMR法は、必要な試料量が多く、微小領域のみを対象とした分析は困難である。そこで本研究では、独自に開発した環境制御型グロースチャンバーを用いて13CO2を投与しながら植物を育成し、高13C試料を得る。さらに非加熱マイクロダイセクション法により熱劣化を防ぎながら特定部位を顕微収集する技術を確立し、高感度NMR法による局所的なリグニン化学構造の定量分析を実現 する。
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研究実績の概要 |
研究計画に基づいて、大分類ABCDの実験についてそれぞれ実施した。以上の結果より得られた成果について、それぞれ関連学会での発表を行った。 A. コントロール試料の環境制御育成と組織観察:まずコントロール試料の環境制御育成と組織観察を実施した。苗木試料の傾斜育成とあて材形成に関わる経時変化を明らかにするため、苗木の傾斜開始から約3か月間にわたっての追跡を行った。得られた試料について顕微鏡観察を行い、細胞形状変化および細胞分裂数を確認した。 B. 対象組織・細胞の非加熱マイクロダイセクションによる顕微収集:対象組織・細胞の非加熱マイクロダイセクション法による分取法を検討した。結果より、これまでにない精度での顕微分取を実現できた。一方、課題AおよびBの結果を踏まえて、NMR分析に必要な試料量の育成本数を算出したところ、苗木1本あたりの回収量を大きく改善できなければ、多数の苗木が必要となることがわかった。 C. 微量化学分析:得られた微量試料を用いた定性・定量分析を実施し、既存のイメージング質量分析によって得られていた対象化合物の分布結果と比較した。さらに、得られた微量試料の分析法として、化学分解-GC-MS法あるいはNMR法の適用について検討した。 D. 蛍光標識前駆体を用いた関連酵素の分布可視化:2種類の蛍光標識モノリグノール(リグニン前駆体)を合成し、酵素活性の可視化実験手法を確立した。特に、他のイメージング分析手法で用いた試料と“同一”の試料ブロックを用いた蛍光イメージングを達成したことは重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
A. コントロール試料の環境制御育成と組織観察: 既報により組織構造が十分に調査されているイチョウ(Ginkgo biloba)およびクロマツ(Pinus thunbergii)の環境制御育成を行うことができた。 B. 対象組織・細胞の非加熱マイクロダイセクションによる顕微収集: 凍結状態を維持しながら、顕微鏡観察下での非加熱マイクロダイセクションによる顕微分取を実現した。 C. 微量化学分析および超高感度NMR分析: 得られた各種試料について、従来の分解分析法を用いた基本的な構造解析を行い、既存データとの比較を行った。さらにNMR法を用いて、可能な限り天然に近い状態の細胞壁リグニンの定性・定量分析手順を検討した。 D. 蛍光標識前駆体を用いた関連酵素の分布可視化: 既報を参考に蛍光標識リグニン前駆体を合成し、コントロール試料を用いた可視化実験手法を検討した。 以上のように、予定していたABCDの4項目について、それぞれ実施した。結果より、当初目的としていた実験手法が確認でき、学会発表6件の成果となったことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
初年度で実証できた実験手法に基づき、以下の計画に沿って研究を実施する。 A. コントロール試料の環境制御育成と組織観察:初年度に引き続き、イチョウ(Ginkgo biloba)あるいはクロマツ(Pinus thunbergii)の環境制御育成を行う。 B. 対象組織・細胞の非加熱マイクロダイセクションによる顕微収集:初年度に得られた結果に基づき、より効率的な顕微分取法の開発に取り組む。 C. 微量化学分析および超高感度NMR分析:初年度に引き続き、得られた各種試料について、従来の分解分析法を用いた基本的な構造解析を行い、既存データとの比較を行う。さらにNMR法を用いて、可能な限り天然に近い状態の細胞壁リグニンの定性・定量分析手順を確立する。 D. 蛍光標識前駆体を用いた関連酵素の分布可視化:初年度に引き続き、既報を参考に蛍光標識リグニン前駆体を合成し、コントロール試料を用いた可視化実験手法を確立する。
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