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水産物エコラベル制度における標準化ビジネスと持続可能性の側面の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K27008
補助金の研究課題番号 23H02315 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分41010:食料農業経済関連
研究機関東京海洋大学

研究代表者

大石 太郎  東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (80565424)

研究分担者 岩田 裕樹  広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (90511692)
篭橋 一輝  南山大学, 国際教養学部, 准教授 (60645927)
杉野 弘明  山口大学, 国際総合科学部, 講師 (30751440)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2027年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
キーワード水産物エコラベル / 標準化ビジネス / 持続可能性 / 社会的費用 / 価値観 / 標準化ビジネス戦略
研究開始時の研究の概要

近年、水産物エコラベル制度の国際標準化が進んでいるが、水産物輸送時のCO2排出の未考慮や国際標準に適合しづらい途上国と先進国間の格差拡大の懸念に加え、日本のように国際標準の資源評価に向けて公的機関が追加的な科学調査費(外部費用)を負担するケースでは効率的手段とは言えない可能性もある。こうした環境、社会、経済の視点から国際標準の水産物エコラベル制度の貨幣評価を行い、国際標準化を受容しやすい消費者の社会経済的要因と国際標準化を推進する企業の行動メカニズムを統計データ分析および経済理論分析を用いて特定・解明する。これらを通じて国際標準の水産物エコラベル制度の戦略的活用の意義やその代替案を示す。

研究実績の概要

本研究は、資源・環境問題の解決手段だけでなく、標準化ビジネス戦略の視点も踏まえて水産物エコラベル制度を経済分析し、持続可能な発展に持つ意義や課題、政策的含意を解明するものであり、2023年度までに以下の課題を実施した。
(課題1)持続可能性の3本柱に基づく水産物エコラベルの評価:この課題は、「環境」「社会」「経済」の3つの視点から、水産物エコラベルの持続可能性を定量評価するものである。2023年度は、分析レビューに基づき「経済」の側面の分析に取り組み、エコラベルに関する情報の非対称性と外部経済・不経済の関係性を整理する研究を行った。
(課題2)各国のMSC普及率と社会学的要因の分析:この課題は、市場主導のツールが日本の価値観に適した方法かどうかを分析するものである。2023年度は、ウェブアンケート調査(初回)を実施した。
(課題3)「エコ」を標準化ビジネスとして利用する企業行動の理論分析:この課題は、環境認証制度を標準化ビジネスとして利用する企業の行動を経済モデルで分析するものである。2023年度は、文献レビューを実施し予備的なモデルの構築を行った。
(課題4)日本の水産物エコラベル戦略の具体化:この課題は、標準化ビジネス戦略の視点を踏まえて日本の水産物エコラベル戦略を具体化するものである。2023年度は、日本のあるべき水産物エコラベル戦略について、標準化ビジネス戦略の視点を加えず、空間スケールの観点から分析し、基礎的なフレームワークを確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度は、課題1~3の3つの課題に取り組む予定であったが、課題4についても空間スケールを考慮した重層的環境ガバナンスの観点から水産物エコラベル戦略の基礎的フレームワークを構築できた。このフレームワークに基づいて今後の分析を進めることができることから、研究全体として当初の計画以上に進展していると判断できると考えている。

今後の研究の推進方策

(課題1)持続可能性の3本柱に基づく水産物エコラベルの評価:水産物エコラベルの標準化による水産物輸送時の環境負荷については文献レビューを終えたため輸送手段別の定量化に取り掛かる。先進国-途上国間等の漁業者の格差・不平等は推定方法は特定できたことからデータ収集と推定に向けて研究を進める予定である。漁業者のエコラベル取得の社会的費用は漁協への全国的なアンケートを実施し把握予定である。
(課題2)各国のMSC普及率と社会学的要因の分析:エコラベル普及率と社会学的要因の分析については、第1回目の国内アンケートを実施した。今後はその解析を進めるとともに、海外における主要国の比較の可能性を検討していくことになる。
(課題3)「エコ」を標準化ビジネスとして利用する企業行動の理論分析:「エコ」を標準化ビジネスとして利用する企業行動については、産業組織論に基づく暫定モデルを構築したが、今後さらに修正を加えるとともに、プログラミング言語のPythonを用いたシミュレーションに発展させる可能性を模索する。
(課題4)日本の水産物エコラベル戦略の具体化:以上で得られた知見をもとに、水産物エコラベルを使用しない、またはMELやMSC以外の標準化されていない水産物エコラベルの導入も視野に入れた幅広い視点から水産物エコラベル戦略を検討する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 水産物の多様性と外部性(シンポジウム記録)2024

    • 著者名/発表者名
      大石太郎
    • 雑誌名

      日本水産学会誌

      巻: 90(1) ページ: 70-71

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] トレーサビリティーと水産物の多様性2023

    • 著者名/発表者名
      大石太郎
    • 学会等名
      日本水産学会(シンポジウム)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 水産協力とエコラベル ~重層的なガバナンスの視点から~2023

    • 著者名/発表者名
      大石太郎
    • 学会等名
      環境経済・政策学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] 『日本人による水産協力-開発現場をアップデート-』(分担執筆:第13章「水産協力とエコラベル~重層的なガバナンスの視点から~」)2023

    • 著者名/発表者名
      大石太郎
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      北斗書房
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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