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農作物の早期生産予測情報に基づく市場・農業生産へのマクロ・ミクロ的影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K27010
補助金の研究課題番号 23H02317 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分41010:食料農業経済関連
研究機関明治学院大学

研究代表者

田中 鉄二  明治学院大学, 経済学部, 准教授 (40803482)

研究分担者 松本 健一  東洋大学, 経済学部, 教授 (00534570)
中本 裕哉  大分大学, 経済学部, 准教授 (10881881)
郭 進  摂南大学, 経済学部, 教授 (20582365)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワードリモートセンシング / 農産物生産予測情報 / 食料安全保障 / 小麦 / 大豆 / 経済モデル / 農産物生産予報 / 土地利用 / 国際価格
研究開始時の研究の概要

本研究では、早期農産物生産予測情報が世界食料市場に与える影響を、複数の経済モデルを用いてマクロ・ミクロ両面から分析する。技術進歩により、リモートセンシング衛星からの農作物生育状態の監視・予測が可能となり、収穫の2~3ヶ月前に生産量を予測できるようになった。この情報を異なる作付け時期の農家が利用することで、世界市場への農産物供給の安定化が期待されるが、その具体的なメカニズムについての研究はまだない。本研究は、早期予測情報が農産物市場と農家の利益にどの程度影響を与えるかを、時系列分析、応用一般均衡モデル、離散選択モデルを通じて定量的に明らかにする。

研究実績の概要

本研究は、リモートセンシングによるデータを利用して農産物の供給予測を行い、それが世界市場の安定にどのように寄与するかを探求するものである。研究の目的は、リモートセンシングデータを利用した農産物予測が世界市場の変動をどの程度緩和し、食料安全保障にどのように貢献するかを定量的に評価することである。具体的な目標として、応用一般均衡モデルを用いて、予測データが市場価格と供給チェーンに与える影響を分析した。2023年度の研究ではこのモデルを採用し、リモートセンシングから得られる農産物の生産量データが市場価格に与える影響をモデル化した。このモデルは経済全体の多様な要素とその相互作用を考慮することで、市場の反応をより正確に予測することを可能にする。現在、メリーランド大学カレッジパークの地理科学部の研究者と共に、より洗練されたデータ収集技術と分析手法を開発中である。本研究の初年度成果は、「Communications Earth & Environment - Nature」に掲載され、リモートセンシングに基づく予測が市場の不確実性を減少させ、特に緊急事態時の食料価格の安定に寄与することが示された。これは、政策立案者や市場参加者にとって重要な意味を持つ。メリーランド大学との共同研究は順調に進行中であり、新たなリモートセンシング技術を使って、より広範囲なデータの収集と解析を進めている。次のステップとして、これらの新しいデータを用いた経済モデルの再構築を計画しており、より詳細な市場動向の予測と政策提言が可能になることを期待している。リモートセンシングによる農産物の予測情報は、世界市場の安定化及び食料安全保障の強化に大きく貢献する可能性を秘めている。今後も継続的な研究と技術革新が求められる中で、本研究が提供する洞察と解析は、さらなる政策開発の基礎となるであろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2023年度の研究成果として、リモートセンシングによる予測情報が世界の食糧市場を安定させることが応用一般均衡モデルを用いて示された。この成果は、「Communications Earth & Environment」に掲載され、学界から注目を集めている。当研究ではリモートセンシングデータを活用して、市場の需給バランスを予測し、価格の変動を最小限に抑える方法が提案されている。さらに、この一般均衡モデルに加えて、他の数量モデルを使用した分析も行われており、これにより予測の正確性がさらに高まっている。これらのモデルは、異なる種類のデータセットと変数を組み合わせることで、より複雑な市場動向を解析する能力を持っており、精度の高い予測情報を提供している。また、本研究では環境への影響も重要な考慮事項であるため、リモートセンシングデータを用いた環境影響分析も同時に進められている。この部分の研究は予定よりも早く進行しており、すでに初期段階の成果が得られている。この研究は、農業活動が自然環境に与える影響を定量的に評価し、持続可能な農業政策の策定に貢献することを目指している。今後の研究では、これらのモデルをさらに発展させ、より広範なデータと複数の市場環境に適用することで、全世界の食糧市場に対する洞察を深め、より効果的な政策提言を行うことが期待されている。私たちの取り組みが、食糧市場の安定化だけでなく、環境保護においても重要な役割を果たすことを目指している。

今後の研究の推進方策

私たちの研究の主目的は、リモートセンシングを利用した予測情報を用いて世界の食糧市場の安定を図ることである。この目標に基づき、現在の研究進行状況について以下のように報告する。メリーランド大学カレッジパーク校の地理科学部との協力のもと、リモートセンシング技術を応用し、精度の高い農産物予測モデルを開発している。このモデルは、衛星画像データと気候モデリングを組み合わせることで、農産物の生産予測精度を向上させ、市場における供給変動を予測する。この予測情報を市場分析に統合することで、食糧価格の急激な変動を抑制し、市場の安定化を目指す。23年度は応用一般均衡モデルでの検証を行ったので、その欠点を補うような他のモデルで行うことを進めている。また、これまでは世界市場の安定性に焦点を当てていたが、環境的要素、農家や消費者へのインパクトを計測し、分析を行うように準備を行っている。このようにして、リモートセンシングによる予測情報の活用は、世界の食糧市場の安定化に寄与し、持続可能な食料供給システムの構築に貢献することが期待される。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] University of Maryland College Park(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] Satellite forecasting of crop harvest can trigger a cross-hemispheric production response and improve global food security2023

    • 著者名/発表者名
      Tetsuji Tanaka, Laixiang Sun, Inbal Becker-Reshef, Xiao-Peng Song, Estefania Puricelli
    • 雑誌名

      Communications Earth & Environment - Nature

      巻: 4:334 号: 1 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1038/s43247-023-00992-2

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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