研究課題/領域番号 |
23K27014
|
補助金の研究課題番号 |
23H02321 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
雨河 祐一郎 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (00743634)
|
研究分担者 |
森高 正博 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20423585)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2024年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | コロナ禍 / 青果物セクター / マンゴー / ロンガン / タイ / 輸出業者 / 構造変動 / Q-GAP / 農業輸出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、タイの青果物輸出バリューチェーンを事例として、コロナ禍が農業食料分野のグローバルサプライチェーンに及ぼす影響を同定するとともに、ウィズコロナ時代における輸出業者と作物生産者がそれにいかなる対応を施して危機的状況に適応し、事業や生産活動の回復に努め、生存や生計の持続性を確保しているかを実証的に明らかにする。具体的には、野菜と果実それぞれを主とする輸出業者および野菜生産者に対して綿密な現地対面聞き取り調査を行い、後者の生産物に残留農薬分析を施す。
|
研究実績の概要 |
本研究は、タイの青果物輸出バリューチェーンを事例として、コロナ禍が農業食料分野のグローバルサプライチェーンに及ぼす影響を同定するとともに、ウィズコロナ時代における輸出業者と作物生産者がそれにいかなる対応を施して危機的状況に適応し、事業や生産活動の回復に努め、生存や生計の持続性を確保しているかを実証的に明らかにする。具体的には、野菜と果実それぞれを主とする輸出業者および果実生産者に対して綿密な現地対面聞き取り調査を行い、後者の生産物に残留農薬分析を施す。分析に際しては、連続する感染の波に対して輸出業者及び生産者が発揮するアダプテーション(適応力)、レジリエンス(回復力)およびサステナビリティ(持続力)に着目しつつ、コロナ禍における川上のグローバルバリューチェーン内部の恒常性や変動を分析・記録する。この意味で、本研究は、コロナ禍発生初期のインパクト(影響)やコーピング(対応)に着目した一連の農業社会構造研究とは一線を画する。コロナ禍が発生した2020年だけでなく、それ以後5年前後のウィズコロナ期の変化を観察・分析・記録していくことは、アフターコロナ時代に展開される農業社会構造研究への架け橋として、極めて重要な学術的意義を持つといえる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年8月、雨河とGebre(研究協力者)は中部タイを訪問し、現地協力者のPanamasの引率のもと、果実を主とする9つの輸出業者からコロナ禍の輸出ビジネスへの影響について聞き取りを行った。野菜を主とする7つの輸出業者については2022年8月に本研究グループが行った予備調査により概ね調査を終えている。したがって、2023年度の調査をもって、輸出業者調査は予定通り完了した。いずれの輸出業調査についても、調査後ひと月以内に雨河がフィールドノーツの作成を完了し、共同研究者と共有した。今後は、両調査から得られた知見・データをもとに一本目の論文を書いていく。輸出業者調査研究の主執筆担当者は当初、分担者の森高を予定していたが、森高は体調を崩し現地での調査を行えず、一部リモートでのみの参加となった。当該分担分の執筆についても現地調査を行った雨河が引き続き担当していく。 また、輸出業者調査を通じて得た生産現場の概況に基づき、2024年度は、聞き取りを行った輸出業者のうちの一つが買取を行っているマンゴー農家グループについて、雨河とPanamasが、2024年2月に一週間弱、現地(ピチット県、ピサヌローク県、ペッチャブン県)で予備調査を行った。その結果、コロナ禍のマンゴー栽培と農家の生計への明白な影響(暴落した価格と激減した収入など)が把握できた。また、量的分析を行うに足るQ-GAP認証及び非認証農家が現地に存在することも確認できた。他方、2025年度の調査対象作物はロンガンとしたが、この予備調査は2024年度に改めて行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方針は以下のとおりである。 2024年度(2年目):マンゴーを栽培する100世帯のQ-GAP認証農家と125世帯の非認証農家から、残留農薬検査のためのマンゴーサンプルを一軒当たり5個ずつ収集する(3-5月)。また、収集するたびに、残留農薬検査を進めていく。6月以降は、マンゴーサンプルを入手した農家を再度訪問し、コロナ禍におけるマンゴー生産や生計の実態について聞き取り調査を実施する(6-12月の間、随時)。また、前年度実施した輸出業者調査に基づいた論文を1本作成し、国際ジャーナルに投稿する。 2025年度(3年目):ロンガンを栽培する125世帯のQ-GAP認証農家と250世帯の非認証農家から、残留農薬検査のためのロンガンサンプルを一軒当たり5房ずつ収集し、同時に、コロナ禍におけるロンガン生産や生計の実態について聞き取り調査を実施する(3-12月の間、随時)。また、収集するたびに、残留農薬検査を進めていく。さらに、前年度実施したマンゴー調査に基づいた論文を1本作成し、国際ジャーナルに投稿する。 2026年度(4年目):前年度実施したロンガン調査に基づいた論文を1本作成し、国際ジャーナルに投稿する。
|