| 研究課題/領域番号 |
23K27026
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| 補助金の研究課題番号 |
23H02333 (2023)
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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| 研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
長峯 邦明 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (00551540)
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| 研究分担者 |
小原 裕三 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20354045)
関根 智仁 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 准教授 (20805634)
松井 弘之 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (80707357)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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| キーワード | ウェアラブルセンサ / 非破壊 / 植物 / 農薬 / バイオセンサ / 農作物 / スマート農業 |
| 研究開始時の研究の概要 |
農薬散布等の管理作業により農作物へ誘発される非意図的な潜在的ストレス性生理反応の学術的解明には、植物体内情報(本研究では体内化学成分・生体インピーダンス・蒸散量)の非破壊連続計測が不可欠である。本研究では、フレキシブルウェアラブルエレクトロニクスおよび農薬環境動態が専門の研究者の異分野融合により、植物独特の体表構造に密着・固定し、かつ植物にストレスなく、食の安全性も維持できる植物/デバイス界面を創出することで植物体内情報の非破壊連続測定を実現し、上記生理反応を解明する。その成果を農業現場へ活用することで農薬の適確な施用を実現し、「みどりの食料システム戦略」の化学農薬削減目標の達成に貢献する。
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| 研究実績の概要 |
2年目の研究は、3種類の植物体内情報((1)体内化学成分、(2)生体電気インピーダンス、(3)蒸散量)を非破壊連続計測するためのセンサデバイスの基本動作原理検証を引き続き行った。 (1)について、生体内化学成分の定量は、葉に貼付したハイドロゲルによる非破壊的に抽出する独自技術を基に進めた。ゲル溶媒の揮発が定量を困難にしてきたが、グリセロールあるいはジプロピレングリコール(GPP)水溶液を溶媒としたポリビニルアルコール(PVA)ゲルをもちいることで1週間の不揮発化を達成した。代謝物であるグルコース、及び体内電解質であり肥料3要素の1つである硝酸イオンの抽出と検出にも成功した。加えて、葉表面pHが干ばつストレスに伴い変化するという当初想定していなかった成果も世界で初めて得られた。以上のセンサ研究と並行し、農薬処理の1例として、展着剤(アニオン系、カチオン系、両性系、ノニオン系)を農薬ラベルの最大濃度に調整し、ディッピング法により浸漬処理をしたミニトマト苗について、その体内成分分析を現在行っている。水耕栽培を行い、ミニトマト苗の茎葉部、根部中の体内生成成分と細胞壁成分の変化をLC-MS等のクロマトグラム分析装置を用いて定性、定量分析を行った。 (2)について、トマト(品種:マイクロトム)に対して、LCRメータIM3533-01および新生児心電図用電極を用いて、4端子法で約5時間の電気インピーダンスの連続測定を行った。同時に、マルチ環境測定器LM-8102を用いて温度と湿度の経時変化も記録した。 (3)について、多孔質セルロースナノファイバーを基軸とするナノカーボンとイオン液体の複合材料を用いた高感度湿度センサを作製し、その特性評価を行った。また、当該センサを植物葉に貼り付けたときの蒸散量測定の応答性も明らかにした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の研究は、3種類の植物体内情報((1)体内化学成分、(2)生体電気インピーダンス、(3)蒸散量)を非破壊連続計測するためのセンサデバイスの基本動作原理検証を引き続き行った。(1)のセンサデバイスでは生体親和性を維持しながらゲルを不揮発化することに成功し、代謝物であるグルコース、及び体内電解質であり肥料3要素の1つである硝酸イオンの抽出と検出の成功に大きく寄与した。加えて、葉表面pHが干ばつストレスに伴い変化するという当初想定していなかった成果も世界で初めて得られた。(2)の生体電気インピーダンスについては、トマトを対象に連続約5時間測定可能とした。(3)の蒸散センサは、多孔質セルロースナノファイバーを基軸とするナノカーボンとイオン液体の複合材料を用いた高感度湿度センサを作製し、その特性を明らかにしながら、ポトス(観葉植物)の葉の蒸散量測定の応答性も明らかにできた。いずれのセンサデバイスも当初想定していたレベルに達しており、最終年度での農薬に対する生理反応測定の準備ができつつある。以上より、本研究の進捗はおおむね順調と言える。
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| 今後の研究の推進方策 |
最終年度の研究は、3種類のセンサデバイスを用いてトマトへの農薬散布時の生理反応を測定する。具体的には、モデル農薬としてアブシジン酸とジベレリン(いずれも植物ホルモンであり植物成長調整剤として利用されている)を用い、ポトス(観葉植物)とトマトを処理した時の葉内成分(クロロゲン酸、硝酸イオン、グルコース、pHなど、生体電気インピーダンスおよび葉蒸散への影響を測定する。3種類のセンサと葉の接触界面の最適化を材料/デバイスの両面から行う予定である。アブシジン酸とジベレリンは葉の気孔の開閉を制御することで体内水分量を調節する植物ホルモンであり、かつ植物の抵抗性も誘導することが知られる。3種類のセンサで測定することで、アブシジン酸とジベレリンがどのように作用するのか(作用する順序・タイミングなど)を明らかにする。また、別の農薬成分として展着剤の影響も引き続き調べる。供試した展着剤中の界面活性剤の種類によるミニトマト苗の茎葉部と根部中の体内生成成分と細胞壁成分の変化をLC-MS等のクロマトグラム分析装置を用いて定性、定量分析を行い、界面活性剤の種類による差異を検証し、潜在的なストレスの大きさを評価する。
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